2003 Fiscal Year Annual Research Report
24時間型社会に対する適応方略の開発に関する探索的研究
Project/Area Number |
15653055
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 光緒 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00238130)
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Keywords | 睡眠習慣 / 生体リズム / 朝型・夜型 / 精神的健康 |
Research Abstract |
現代社会における夜型化の進行と、生体リズムの乱れが精神的健康とストレスに及ぼす影響について検討するために、大学生451名(平均19.5±3.2歳)を対象に調査研究を行った。睡眠習慣と日中の眠気に関しては、1)生活習慣調査(堀,1998)、2)朝型夜型尺度(石原他,1986)、3)自己覚醒尺度(Matsuura et al.,2002)、4)Epworth眠気尺度(Johns,1991)を実施し、精神的健康とストレスについては、5)GHQ精神健康調査(中川他,1985)、6)自尊心感情尺度(山本他,1982)、7)東大式自記健康調査票から抑うつ尺度(鈴木他,1986)、8)ストレスコーピング尺度(尾関他,1994)、9)充実感尺度(大野、1984)を実施した。 生活習慣調査から得られた結果を標準得点化した後、因子分析(主因子法、プロマックス回転)した結果、睡眠の位相(生体リズム)、睡眠の量(睡眠時間)、および睡眠習慣の規則性の3因子が抽出された。それぞれの因子得点を求め、上位25%の群と下位25%の群に分割し、睡眠の位相、睡眠の量、および睡眠習慣の規則性による影響を検討した。その結果、睡眠の位相に関しては、下位群(位相後退群)は、夜型得点が有意に高く(p<.05)、自尊感情(p<.05)と充実感(p<.05)が有意に低かった。睡眠の量に関しては、下位群(睡眠不足群)は、身体症状(p<.01)と抑うつ得点(P<.01)が有意に高かった。睡眠の規則性に関しては、下位群(不規則群)は、日中の過剰な眠気得点が有意に高かった(p<.05)。 以上の結果から、夜型化の進行と生体リズムの乱れは、睡眠不足による日中の過剰な眠気を誘発させるばかりでなく、精神的健康にも悪影響を及ぼしている実態を明らかにすることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hayashi, M., Fukushima, H., Hori, T.: "The effects of short daytime naps for five consecutive days."Sleep Research Online. 5・1. 13-17 (2003)
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[Publications] Kaida, K., Nakano, E., Nittono, H., Hayashi, M., Hori, T.: "The effects of self-awakening on heart rate activity in a short afternoon nap"Clinical Neurophysiology. 114・10. 1896-1901 (2003)
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[Publications] Kaida, K., Nittono, H., Hayashi, M., Hori, T.: "Effects of self-awakening on sleep structure of a daytime short nap and on subsequent arousal levels."Perceptual and motor skills. 97・3. 1073-1084 (2003)
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[Publications] Hayashi, M., Masuda, A., Hori, T: "The alerting effects of caffeine, bright light and face washing after a short daytime nap."Clinical Neurophysiology. 114・12. 2268-2278 (2003)
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[Publications] 林 光緒: "睡眠と事故"Clinical Neuroscience. 22・1. 89-91 (2003)
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[Publications] 河野寿美代, 城田 愛, 甲斐田幸佐, 林 光緒, 堀 忠雄: "新生児の活動-休止リズムと母親のリズムの比較"広島大学総合科学部紀要IV理系編. 29. 53-62 (2003)