2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・幼児を対象にしたロボット介在ヒーリング/セラピー効果の研究
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15653057
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
木村 龍平 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (80161587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 家資 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (50233408)
永沼 充 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (70319086)
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Keywords | ロボットセラピー / ロボット介在活動 / 小児 / 高齢者 / ペット型ロボット / RAA |
Research Abstract |
高齢者は特別養護老人ホーム、小児は総合病院及び小児病院内プレイルームにてロボット介在活動(RAA)を実施した。また使用したペットロボットについて人間工学的見地から検証実験を行った。 (1)高齢者を対象にしたRAA 毎月1回RAAを実施した。最も重要なファクターはロボットと高齢者を介在する人との会話であることがRAA中の観察から明らかとなった。またRAAを行う会場全体の「場」のざわめき感・楽しい雰囲気が高齢者に良い精神的影響を与えているのではないかと考えられた。現在、音の反応速度測定による脳活動活性化状態の評価を試み、RAA後は脳の活動が活発になっているのではないかと思われる結果を得た。 (2)小児を対象にしたRAA 0歳? 18歳まで入院患者を対象に1-2回/週(1回30? 60分)行った。ロボットに求められる条件は高齢者と異なり、興味を持って様々な命令や操作を行おうとするため、ロボットの操作に習熟した介在者が適切なアドバイスをする必要があった。成長・学習型のソフトウエアは長期にわたる病室での臨床応用がベターであると考えられた。RAA後のアンケートでは参加患者の97%がRAAに期待し、楽しい時間を過ごすことができたことが明らかになった。現在、観察による発達心理学的見地からの子供の心理的な評価を試みる段階である。 (3)使用ロボットの精神的な影響の調査 本年度購入の感性スペクトル解析拡張ソフトを使用した実験を開始。ペット型ロボット3台(ERS-210 1台、ERS-311 2台)を使用し、同型のロボットに異なるソフトを組み込み、ロボットの動きによるヒトの感性を測定した。実験に参加した被験者は本学学生10名(男子7名、女子3名)。5分間のロボットと遊ぶ時間前後に脳波測定を1分間ずつ行ない、感性スペクトル解析で被験者の喜怒哀楽を測定した。現在までの解析結果は、まず、10人中5人にペット型ロボットと遊ぶ前と後では怒り/ストレスレベルの減少が見られた。喜びレベルでは、被験者3人にそのレベルの高い順にERS-311(お話しAIBO)、ERS-210(AIBOライフ)、ERS-311(元気なAIBO)となった。現在、脳波の周波数解析中ではあるが会話型のペット型ロボットは脳活動に通常とは異なる効果があることが予想される。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Ryuhei KIMURA 他: "Investigation of Robot Assisted Activity Using Pet-Type Robot in Hospital and Nursing Home"2004 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS2004,Sendai). (to be presented). (2004)
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[Publications] Eiichi OHKUBO 他: "Remote control of companion robot in the RAA and RAT applications"2004 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS2004,Sendai). (to be presented). (2004)
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[Publications] Ryuhei KIMURA 他: "Robot assisted activity using Pet-type robot for preschool and school age child patients in childre hospital"The Society of Instrument and Control Engineers annual conference 2004 (SICE2004). (to be presented). (2004)
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[Publications] Takamichi Sasaki 他: "Tuning of Entertainment Robots for RAA/RAT Application based on Fieldworks at Aged Peoples' Home and Pediatrics Ward"The Society of Instrument and Control Engineers annual conference 2004 (SICE2004). (to be presented). (2004)
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[Publications] 小川家資: "ペット型ロボットの挙動とデザインが人に与える効果"日本人間工学会第45回大会講演集. (2004年6月出版予定)(採択済み). (2004)
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[Publications] 佐々木崇倫 他: "ペット型ロボットを用いたRAAの試み"平成16年度電気学会全国大会論文集. 第3分冊. 89-90 (2004)
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[Publications] 大久保英一 他: "ロボット介在活動(RAA)/療法(RAT)における遠隔操作の検討"平成16年度電気学会全国大会論文集. 第3分冊. 91-92 (2004)
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[Publications] 木村 龍平: "小児入院患者に対するRAA/RATの児童心理学的考察"第4回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集. 560-561 (2003)
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[Publications] 松村典子 他: "小児病院におけるRATの可能性を探る"第4回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集. 556-557 (2003)
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[Publications] 阿部直子 他: "小児病院におけるAIBOの活用"第4回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集. 558-559 (2003)
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[Publications] 海野 仁 他: "遠隔操作を用いたペット型ロボットのRAAへの応用"第4回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集. 550-551 (2003)
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[Publications] 根岸 崇 他: "小児および老人を対象とするペット型ロボット用いたRAAの実施とRATの試み"第4回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集. 554-555 (2003)