2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654004
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 孝宏 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (60208618)
|
Keywords | 淡中双対性 / 可解格子模型 / ホップ代数 / 面代数 |
Research Abstract |
当初の研究計画では、ホップ双ガロア理論を面代数(弱双代数)に対して一般化することを最初の目標としていたが、この方向については海外の研究者により類似の研究がなされる可能性が高いと判断し見送ることにした。一方、本研究と並行して行っていた古典不変式論の標準淡中双対性の観点からの研究については、理解の具体的な進展があり、本年度はそちらの方の研究を優先することにした。もちろん、その方向は本研究で目指していた可解格子模型への応用とは直接には関係しない訳であるが、標準淡中双対性の応用としては既に得られているものよりも遙かに大規模かつ重要なものであり、本研究にとっても意味のある知見が得られるのではないかと考えている。具体的には2元形式の場合に集中して計算を行い、2次、3次、4次形式の場合に、不変式や共変式(最高ウェイトベクトル)の空間などの上に、半標準盤によってラベルされた基底を構成することができた。一方、5次形式以上の場合については、当初十分に予期できなかった問題があることが判明し、特殊な場合を除いては、まだ基底(や半標準盤の集合)の構成にまで至っていない。そのため、エルミート相互律の組み合わせ論的対応物を模索するなどして、打開の糸口を探っているのが現在の状況である。 なお、本年度に予定していた数理物理関係の研究集会については、表題を「時代精神としての数理物理」とし、11月の下旬に名古屋大学にて無事に開催することができた。
|