2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127422)
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Keywords | 重力場レンズ / 厳密重力場レンズ方程式 / ブラックホール / 事象の地平線 / 光錐的超曲面 / ミンコフスキー空間 / ド・シッター空間 / 反ド・シッター空間 |
Research Abstract |
重力場レンズを記述する、厳密重力場レンズ方程式のシンプレクテイック幾何学的またはローレンツ幾何学的枠組みを構成し、その枠組みの元で記述される焦線の特異点を分類する準備を行った。また、ブラックホールなどに現れる事象の地平線の形状を記述するためにミンコフスキー空間内の光錐的超曲面の特異点理論を構成した。さらに重要な場合のド・シッター空間内の光錐的超曲面の特異点を記述するための準備を行った。また、反ド・シッター空間内でも同様な考察を行うことの重要性を発見した。これらの結果を得るために、6月に中国で開催した日中特異点論研究集会において研究打ち合わせを実施した。また、日本国内においても研究打ち合わせを実施した。この他に関連する話題として、ミンコフスキー空間内の光錐内の空間的超曲面に対してルジャンドル特異点論を応用することにより、新たな不変量を構成した。この不変量は幾何学的に非常に奇妙な性質をもっており、ガウス曲率に対応した概念は外在的(法線に依存)であるが平均曲率に対応する概念は内在的であると言う通常の曲率とはまったく違う性質をもつことを発見した。さらに、空間的超曲面に対して平行超曲面の概念が定義できるが、それは通常のような性質とまったく違う性質を持つことを発見した。さらにこの平行超曲面は光錐以外の擬球面内の空間的超曲面の平行曲面を統一的に取り扱えることがわかった。ここにおける構成法は重力場レンズ方程式の特異点を研究するための基本的道具立てとなることが予想される。
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Research Products
(4 results)