2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127422)
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Keywords | 重力場レンズ現象 / 一般相対推理 / シンプレクティック幾何 / ローレンツ幾何 / 特異点 |
Research Abstract |
平成17年度における研究は15年度16年度の成果を踏まえて、重力場レンズ現象の焦線の研究を推進すると同時に、今後の研究目標とも言うべき、事象の地平線の特異点(ブラックホールの形状と関係する)の研究をすすめる為の、基礎的事実の整理を行った。そのために、は重力がない場合に対応する、ローレンツ・ミンコフスキー空間内の光的超曲面の特異点の研究を推進した。特に、一次元下がった場合の3次元ローレンツ・ミンコフスキー空間内の光的超曲面(光的可展面)が光的超平面、光錐、光的超曲面内の曲線の接線曲面、光的曲線の接線曲面かその張り合わせからなることを示し、そのうちでもっとも興味深い曲面である光的曲線の接線曲面の特異点の分類を実行した。その結果、生成的な光的曲線の接線曲面の特異点は局所的にカスプ曲面、ツバメの尾またはシェルバク曲面に微分同相となることがわかった。3次元ユークリッド空間内の接線曲面の特異点は生成的な曲線にたいしてカスプ曲面か折り畳み傘に局所微分同相であることが知られており、全く違う状況にあることが判明した。ちなみに、シェルバク曲面はロシアのシェルバクにより、H3型の複素鏡映群に対応する事が示されている。また、ローレンツ・ミンコフスキー空間内の3次元ド・シッター空間内の光的曲面の特異点についての研究も推進した。このド・シッター空間はアインシュタイン方程式の真空解の一つとして知られ、宇宙論における重要な概念である。この空間内の光的曲面の特異点を研究する事は、平坦でない重力めある場合の空間内の事象の地平線の形状を研究する上での第一歩となる。その結果、生成的な空間的曲線に沿った光的曲面の特異点は局所的にカスプ曲面またはツバメの尾に微分同相となることがわかった。
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Research Products
(2 results)