2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654011
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 堯生 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025467)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 聖一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60254380)
|
Keywords | 2次元滑らか結び目 / 結び目解け予想 / 2次元ブレイド / チャート表示 / 1助変数族 / マルコフ型定理 / 安定化 |
Research Abstract |
結び目が解けるための必要十分条件は、2次元滑らか結び目以外に関しては、既に与えられている。本研究は2次元滑らか結び目に対しても同じ条件、つまり補空間のホモトピー型が自明な場合と同じという条件が、結び目が解けるための必要十分条件であることを示そうという試みである。 既に以前の萌芽研究によって、交点を許した2次元結び目の1-助変数族を構成することができた。それを2次元ブレイドの1-助変数族に変換するところが、マルコフ型定理の拡張であってまず大問題であるが、研究分担者が以前使った手法をそのまま拡張すればよく、基本的なアイデアは既に得ており、研究分担者が執筆予定である。 一方、こうしてできる特異2次元ブレイドの1-助変数族をチャート表示すること自体にはそれほど大きい問題がないことが判明している。しかし、1-助変数族が単純な特異2次元ブレイドのみでないことからくる困難の解決が必要であり、これが大問題である。この点に関して、大きな進展が見られ、萌芽研究というより、2次元滑らか結び目解け予想の解決そのものという本格的な研究に直接つながる可能性が強くなった。 具体的には、一端が自明な結び目であることを用いて、単純でない2次元ブレイドは非常に特別な形でしか出没しないことを主張する方法がわかった。さらに、今年度の進歩は、安定化によっても、その状態が本質的には変化しないということがいえた点である。この手法を展開することによって、単純な2次元ブレイドの1-助変数族のときに適用できる高さの取替え法がこの場合にも適用できることがわかる。そうすると、いつでも自己交差の成分数をひとつ減らすことができる。こうして、数学的帰納法によって、1-助変数族を途中で自己交差がない形に変形していくことができ、しかるべき条件を満たす結び目が自明であることが判明するのである。
|
Research Products
(3 results)