2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 博儀 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70251395)
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Keywords | 不安定核ビーム / 荷電交換反応 / 低エネルギー中性子検出 |
Research Abstract |
今年度は、本研究の初年度にあたり、以下の2点につき基礎的な研究を行った。 1.逆運動学のシミュレーション 本研究は、世界に先駆けて不安定核ビームによる(p,n)荷電交換反応を行い、不安定核分野における新たな分野開拓を目指している。実験手法としては、(p,n)反応で反跳する中性子を捕まえることがポイントであるが、運動学は逆運動学となるため詳細な検討が必要である。中性子のエネルギーは反応のQ値やその大きさによってきまるため、いくつかの同位体についてその依存性を調べた。特に、反応の重心系での0度散乱は、ガモフ・テラー強度を求める際には重要であり、重心系0度散乱の実験室系での角度、および中性子エネルギーなどを系統的に調べた。また、後述するようにプラスチック検出器で中性子を測定するが、その時間分解能などを考慮し、標的からの距離などの検討も行った。 2.低エネルギー中性子用検出器の開発 1で得られた数値計算結果をもとに低エネルギー中性子用検出器の開発を行った。100keV以下のエネルギーに対応するため、プラスチックシンチレーション検出器を採用した。プラスチック検出器としては、形状の異なる3種類の検出器を製作、テストを行った。一つは、60x60x10mm3のプラスチックに光電子増倍管(PMT)1本をつけたもの、残りの2つは、それぞれ、590x60x10mm3、300x45x20mm3のプラスチックにPMTを2本つけたものである。テストではPMTの特性を実験的に抑え、プラスチック内で生成された光子の受光効率、暗電流によるシングル計数率などの基礎パラメータを得ることができた。
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