2003 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウム中にトラップされた不安定核原子の光ポンピングとレーザー分光
Project/Area Number |
15654035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下田 正 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70135656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 温 東京大学, 総合文化研究科, 助手 (70345073)
松尾 由賀利 理化学研究所, 先任研究員 (50231593)
出水 秀明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50294153)
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Keywords | 不安定核原子 / 準安定状態 / レーザー光ポンピング / レーザー分光 / マイクロ波二重共鳴法 / 核電磁気モーメント |
Research Abstract |
本研究は、広範な種類の不安定核の電磁気モーメントを測定する新しい方法を開発することを目的とする。その方法とは、 I.原子核反応で生成された高速の不安定核原子を超流動ヘリウム中にトラップし、 II.準安定状態にある原子へのレーザー光ポンピングによって原子偏極を生成し、 III.マイクロ波二重共鳴法によって超微細構造を精密に測定する、というものである。ヘリウム中では原子の準位幅が広がること、および準安定状態を用いることから、広範な核を対象と出来る。 今年度は、まず上記スキームの前提となる、超流動ヘリウム中ではスピン偏極の緩和時間が長いことを実証する実験を行った。Cs原子をレーザースパッタリングによって超流動ヘリウム中の導入し、光ポンピングを行って、原子偏極の緩和時間を測定した。偏極度100%を達成することに成功し、偏極緩和時間が約700msであることが初めてわかった。このような長い緩和時間は、上記実験が可能なことを意味している。次に、Mg原子の準安定状態に対する光ポンピングを行った。まず第一歩となるレーザー誘起蛍光の観測に成功し、ポンピングが行われていることを確認した。今後実験条件を最適化し、偏極度を上げることを試みる。来年度中に安定核^<25>Mgについて超微細構造の測定を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Furukawa 他: "Optical pumping and micrawave resonance of unstable nuclei atoms for measurement of those nuclear moments."京都大学原子炉実験所専門研究会「放射線と原子核をプローブとした物性研究の新展開」報告書. 印刷中.
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[Publications] Y.Arakawa 他: "Radioactive impurities in superfluid helium"京都大学原子炉実験所専門研究会「放射線と原子核をプローブとした物性研究の新展開」報告書. 印刷中.