2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654036
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
磯山 悟朗 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80125989)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 龍好 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20273708)
柏木 茂 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60329133)
|
Keywords | 放射光 / ストレージリング / エミッタンス / ダンピングパーティション / ウイグラー / エッジ集束 |
Research Abstract |
第3世代の放射光光源加速器では、電子ビームのエミッタンスが小さいので、挿入光源で高輝度放射光を発生することが出来る。より高い輝度を持つ放射光を発生するためには、電子ビームのエミッタンスを更に小さくする必要があり、光の回折限界に挑む第4世代光源が待ち望まれている。この研究では、既存の放射光源で電子ビームのエミッタンスを小さくする手法を開発した。放射光源であるストレージングに貯蔵された電子ビームのエミッタンスは、シンクロトロン放射の放出による振動の励起とRF加速による減衰とのつりあいによって決まるが、この効果を水平方向のベータトロン振動と縦方向のシンクロトロン振動に分配する割合を決めるdamping partition numberを変えることにより、電子ビームのエミッタンスを最大1/3にまで低下させる手法の開発研究を行い、装置の設計とビームダイナミクスに与える影響などを調べた。 この手法で減衰の分配率を効果的に変えるためには、強い2極磁場と強い4極磁場を同じ場所で同時に実現しなければならない。そこで、この要求性能を満足するために、永久磁石を用いたエッジ集束ウイグラーの開発研究を行った。永久磁石のみで構成されたいわゆるHalbach型のエッジ集束ウイグラーの5周期モデル磁石を製作して、磁場測定を行いその性能を評価した。試作したエッジ集束ウイグラーの周期長は6cmで、永久磁石は残留磁束密度1.32Tを持ち、磁石ブロックの幅は10cmで高さは2cm、エッジ角は2度である。製作したモデル集束ウイグラーの磁場を磁極ギャップの関数として測定した。磁極ギャップが3cmの時、計算で求めた中心部での最大磁場は0.43Tで、磁場勾配は1.0T/mである。測定値は、ピーク磁場で数%小さく、磁場勾配で数%大きい値であった。これらの絶対値の差を除くと、磁極ギャップ依存性を含め予想どおりの磁場分布と磁場勾配を発生することが出来る。damping partition numberを変えることにより、電子ビームのエミッタンスを低減して輝度を高める新しい手法の基礎を確立した。
|
Research Products
(1 results)