2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポーラスシリコンを用いた太陽光動作光触媒素子の開拓
Project/Area Number |
15654040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
粕谷 厚生 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (10005986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 彰三 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40171277)
伊藤 隆 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 助教授 (40302187)
香川 昌弘 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80005967)
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Keywords | ポーラスシリコン / 光電極材料 / 光触媒 / 光電気化学反応 / 水の光分解 / 水素終端面 / ステップ表面 |
Research Abstract |
本研究では水素原子を終端したシリコン完全結晶表面をポーラスシリコンの理想モデルと見なして単純な平坦面から凸凹なポーラス面に至る試料について順次光電気化学的特性を解析し、光触媒効果を原子的素過程として解明することを目的とした。即ち光照射によりシリコン内部で励起された電子が表面に吸着する水素と電荷の授受を行い、分子として脱離する過程を電気化学分光、電子分光、赤外分光などの測定技術を駆使して詳細に解析した。 主要設備として初年度に光電気化学セルを作製し、電解液中の電気化学測定とラマン散乱、トンネル分光等と組み合わせた測定により反応過程のその場観察を行った。これによりシリコンの電極触媒としての性能を評価した。 先ずシリコン表面が光照射下において水素原子の吸着、解離を効率よく進行させる反応場として理想的であることに着目し、電解液中の水素発生反応を追跡した。実験として水素終端シリコン平面から出発し、反応活性の最も高い複雑なポーラス面に至る試料について実験を行った。これにより、対称性の高い平坦な結晶表面からテラスやステップ、キンクの密度を次第に増加することによる表面の粗さを関数として反応機構を物理的・化学的両面から追跡した。 次にシリコンのポーラス化及びポーラス層の厚さを段階的に増やし、硫化水素を分解して水素を発生させる反応の効率測定と最適化を行った。更にp型シリコンを用いた還元反応による水素発生と逆にn型シリコンを用いた酸化反応による酸素発生についても反応効率と安定性を調べた。これによりp型とn型シリコンを組みあわせて水の光分解までを試み、シリコンの光触媒としての性能を評価した。
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Research Products
(6 results)