2004 Fiscal Year Annual Research Report
自由曲面多層膜スーパーミラーによる中性子光学素子の開発
Project/Area Number |
15654043
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
池田 一昭 独立行政法人理化学研究所, イメージ情報研究ユニット, 基礎科学特別研究員 (20342743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 裕彦 独立行政法人理化学研究所, イメージ情報研究ユニット, 研究ユニットリーダー (50249900)
佐藤 広海 独立行政法人理化学研究所, イメージ情報研究ユニット, 研究員 (20300874)
安達 智宏 独立行政法人理化学研究所, イメージ情報研究ユニット, 協力研究員 (90333294)
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Keywords | 中性子光学 / 多層膜スーパーミラー |
Research Abstract |
1.高Q平面多層膜スーパーミラーの開発:Ni単層ミラーの3倍の中性子全反射臨界角(3Q)を有するNi/Ti平面多層膜スーパーミラー(単層膜厚分布:48〜800Å,全層数:532)を反応性スパッタリング法の導入によって作製し,その臨界角反射率を前年度に達成した84%から89%に向上させることに成功した. 2.曲面中性子光学素子の開発:放物面を利用した中性子収束光学系の検討を行い,熱中性子を一次元的に収束するために薄型基板のスーパーミラーを放物面形状に多数枚並べて配置した多重積層放物面型一次元収束素子,および冷中性子を二次元的に収束するたに回転放物面形状の基板上にスーパーミラーを成膜した回転放物面型二次元収束素子を新規に提案・設計し,それらの製作ならびに特性評価実験を実施した. (1)多重積層放物面型素子:全長を1200mm,焦点距離を300mmに設定し,異なる曲率で同じ焦点を共有する2つの放物面の一部により3チャンネルの構成とした.波長1.8Å,分散角10mrad以下,半値全幅20mm(高さ60mm)の中性子ビームを入射したとき,焦点位置において半値全幅は4.4mmに収束され,ミラー導入前と比較して幅10mm,5mm,1mmの領域で,それぞれ1.6倍,2.5倍,3.3倍のビーム強度を達成した.この結果はモンテカルロシミュレーションによる計算結果とよく合致していた. (2)回転放物面型素子:入射側口径20mm,出射側口径10mm,全長165mm,焦点距離55mmとした.波長9.5Å,分散角0.08mrad以下,直径20mmの中性子ビームを入射したとき,焦点近傍1平方mmの領域において6.9倍のビーム強度を達成した.これは計算シミュレーションによって期待される強度(約50倍)の14%程度であった.
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Research Products
(1 results)