2003 Fiscal Year Annual Research Report
真空中にトラップされた不安定核イオンの核崩壊を用いた"反衝突法"の開発
Project/Area Number |
15654054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 泰規 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30114903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 陽一 理化学研究所, 原子物理研究室, 先任研究員 (30260194)
片山 一郎 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30028237)
和田 道治 理化学研究所, 原子物理研究室, 先任研究員 (50240560)
畠山 温 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70345073)
鳥居 寛之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (20302838)
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Keywords | 不安定核 / イオントラップ / 反衝突 / 核崩壊 / 原子過程 / 電子応答 |
Research Abstract |
本研究の目的は、不安定核である^8Liがベータ崩壊した後、10^<-22>秒程度のごく短い時間のうちに2つのHe核に更に崩壊するという特異な現象をプローブとして、半衝突現象を研究することにある。この崩壊寿命に対応するエネルギー幅はMeV程度に達し、これは中間体である^8Be^<2+>核励起状態のQ値と同程度になる。そのため放出される2つのHeイオンはQ値と同程度の幅を持ったエネルギー分布を示すことになる。今年度は、このように放出エネルギー幅の広いときにも高い確率でそのエネルギーと価数を決定できる方法を検討し、磁気分析器により運動量/価数を求め、半導体検出器でエネルギーを決定する方式を採用した。各種シミュレーションの結果、半導体検出器を位置感応型にし、更にエネルギーを比較的精度良く測定すれば、核崩壊に伴って放出されるHeイオンのイオン価数はHeのかなり広い運動エネルギー領域において決定できることがわかった。一方、フラグメントセパレーターから得られる〜100MeV/uの高速^8Li^+イオンを高効率で減速し真空中へ引き出すRFイオンガイド法の開発も着実に進行し、本実験装置への輸送系の設計製作も平行して行っている。さらに、理論研究者の協力を得て、核崩壊に伴って放出されるHeイオンのイオン価数分布の理論的見積もりも進行中で、イオン価数分布はHeイオン対の運動エネルギーの半定量的な依存性も次第に明らかになってきた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 和田 道治: "Slow-RI-beams from projectile fragment separators"Nuclear Instruments and methods B. 204. 570-581 (2003)
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[Publications] 中井 陽一: "真空中にトラップされた不安定核イオンの核崩壊における電子の応答"日本物理学会第59回年次大会. (口頭発表). (2004)