2003 Fiscal Year Annual Research Report
光格子凝縮体を用いたボルテックスアレイ量子計算機の実現
Project/Area Number |
15654055
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 義朗 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40226907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊倉 光孝 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30324601)
藪崎 努 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60026127)
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Keywords | 量子計算 / 凝縮体 / 量子渦 / 光格子 / ラゲールガウス / 光トラップ / ルビジウム / スピン |
Research Abstract |
1995年に中性原子気体のボース・アインシュタイン凝縮(BEC)が実現されて以来、この分野は非常に多くの研究者から注目を集め爆発的勢いで発展しつつある。一方、量子情報処理の分野も大変活発で、新しい物理系で量子計算機を実現しようという野心的な試みが盛んに行われている。本研究は、上記の新しい二つの分野を融合させて、そこに極めて革新的な発展・成果を結実させようというものである。 本研究の目的は、まず全光学的に生成したボース凝縮体を炭酸ガスレーザーによるマイクロメータースケールという超長周期光格子に導入し、その各格子点に任意の次数の量子渦を全光学的に生成することにより、全く新しい「量子渦列(ボルテックスアレイ)」を形成すること、そしてこれを用いて多数量子ビットの量子計算機を実現することである。 これまでに、一次元の炭酸ガスレーザーによる超長周期光格子にルビジウム原子をトラップすることに成功し、さらにその格子中で、BECを生成することに成功している。また、ラゲールガウスビームを用いた新しい方法により、量子渦を生成するシステムを完成させることに成功した。さらに、我々は光トラップ中で、スピン自由度を完全に保ったまま、全光学的にBECを生成できるため、様々な可能性を追求することができる。まずスピンを分解して観測することができるようにするためのシュテルンゲルラッハ効果をBEC原子に対して観測することに成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Takahashi et al.: "Bose-Einstein Condensation of Ytterbium Atoms"Laser Spectroscopy : Proceedings of the XVI International Conference. 111-115 (2004)
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[Publications] Y.Takasu et al.: "Spin-Singlet Bose-Einstein Condensation of Two-electron Atoms"Phys.Rev.Lett.. 91・4. 040404:1-040404:4 (2004)
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[Publications] 高橋義朗, 藪崎努: "イッテルビウム原子のボース・アインシュタイン凝縮"固体物理. 39・2. 37-43 (2004)
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[Publications] M.Kumakura, et al.: "Shaking-induced cooling of cold atoms in a magnetic trap"Phys.Rev.A. 68・2. 021401:1-021401:4 (2003)
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[Publications] K.Enomoto et al.: "Emission spectra of alkali-metal(K, Na, Li)-He exciplexes in cold helium gas"Phys.Rev.A. 69・2. 012501:1-012501:8 (2004)
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[Publications] K.Komori, et al.: "Injection-Locking of Blue Laser Diodes and Its Application to the Laser Cooling of Neutral Ytterbium Atoms"Jpn.J.Appl.Phys.. 42・8. 5059-5062 (2003)