2003 Fiscal Year Annual Research Report
磁場観測用GPSナビゲーション模型飛行機の開発研究
Project/Area Number |
15654063
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
船木 實 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (10132713)
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Keywords | UAV / 自律飛行 / 模型飛行機 / 磁場探査 / 桜島火山 / 南極 / GPS / ナビゲーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、南極で磁場探査に使用する自律型小型無人航空機(UAV)の開発である。当初自律装置を独自に開発する予定であったが、日本飛行機kkが画像撮影を目的としたUAVを開発したので、同社と共同で磁場探査用UAVを製作した。飛行試験にあたり、操縦者のラジコン技術の習得が必要であり、フライトシミュレーターと飛行訓練用ラジコン機を購入しラジコンマニアの協力を得て行った。開発した機体は翼長2m、全長1.8mのバルサ材+発泡スチロール製で、2サイクル2気筒ガソリンエンジン(86HP)を取り付け、離着陸はラジコン操縦、巡航飛行に入った段階で自律飛行に切り換える方式とした。機体重量は15kgで、巡航飛行速度は140km/hで約1時間の飛行が可能である。機体には無線機を取り付け、基地局で常時GPSデータやエンジン回転数等の飛行状態が監視できるようにした。試験飛行の場所として鹿児島県桜島と秋田県鳥海山麓由利原高原を選定し、現地調査を行った。その結果、初冬の気象条件と余裕のある滑走路が得られる桜島において飛行試験を行った。 11月17日と18日、桜島町溶岩グランドに基地局を設けグランドを滑走路とし、高度700mで1周約9kmのルートを11周と、高度1400mで桜島火口(北岳、中岳、南岳)の上を通る約20kmのルートを1周する飛行試験を行った。その結果、GPSナビゲーションによる自律飛行がほぼ予定のコース・高度で行われたことが確認された。しかし、巡航飛行から着陸態勢に入るときエンジンが停止すること、旋回時に高度が30m近く降下するなどの問題が発生した。飛行時にビデオカメラを装着したところ、桜島火山の侵食の様子、砂防ダム、クレーター、それに噴煙の噴出の様子等が撮影された。しかし、機体の振動が大きく、今後の問題となった。
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