2003 Fiscal Year Annual Research Report
土星の衛星タイタンの対流雲の数値モデルを用いた研究
Project/Area Number |
15654065
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 健介 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10192668)
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Keywords | 惑星大気 / 積雲対流 / 雲 / 土星 / 太陽系 / タイタン / メタン |
Research Abstract |
本年度の研究内容は以下の通りである。 1.タイタンの雲対流の定式化の検討:タイタンの雲対流計算のための数値モデルの定式化を進めつつある。現在のところ、大きな過飽和度における凝結の熱力学と、凝結後の雲微物理の定式化に問題が残っており、さらに検討を進める予定である。 2.タイタン雲対流数値モデルの作成:惑星雲対流に汎用的に適用できる雲対流数値モデルであるdeepconv(http://www.gfd-dennou.org/arch/deepconv/)をベースにして数値モデルの実装をすすめつつある。現在のところ、やはり大きな過飽和度を汎用的な数値モデルに共通的に表現する方法に問題が残っている。また、モデルの主に力学部分の可読性を高めるためfortran90のモジュール機能の活用法についても検討を進めている。下に述べるように、雲が極近傍で生じていることから、タイタンの自転効果の導入や、場合によっては3次元計算が必要になる可能性もあり、そのためのモデル拡張においては、fortran90モジュールが不可欠になる。 3.タイタンの観測事実についての情報収集:札幌で開催されたIUGG2003に参加し、主に赤外線望遠鏡での観測についての専門家からタイタンについての最新の観測事実について情報収集と議論を行った。得られた情報の中には、メタンの海の有無、雲の場所、雲の時間変動特性など、今後の計算の設定などについて参考になる事項が含まれている。特に、雲がやはり極の近傍で起こっていることから、タイタンの自転の影響を考慮したモデル化の必要性が示唆された。
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