2004 Fiscal Year Annual Research Report
土星の衛星タイタンの対流雲の数値モデルを用いた研究
Project/Area Number |
15654065
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 健介 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10192668)
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Keywords | 惑星大気 / 積雲対流 / 雲 / 土星 / 太陽系 / タイタン / メタン / カッシーニ |
Research Abstract |
本年度の研究内容は以下の通りである。 1.タイタン雲対流数値モデルの作成:昨年度に引き続き、タイタンの雲対流計算のための数値モデルの定式化と実装とを進めつつある。定式化については現在、メタンと窒素の混合物の凝縮過程についてどの程度の簡略化が可能であるかの検討・大きな過飽和度における凝結の熱力学・凝結後の雲微物理の定式化に問題が残っており、検討を進める予定である。実装は、惑星雲対流に汎用的に適用できる雲対流数値モデルであるdeepconv(http://www.gfd-dennou.org/arch/deepconv/)をベースにして数値モデルの実装をすすめつつある。モデルの主に力学部分の可読性を高めるためfortran90のモジュール機能の活用法についても引き続き検討している。現在のところ、完全圧縮系の対流モデルについては、基礎方程式と非常に明確に対応する極めて高い可読性が実現できている。 2.カッシーニ探査機による観測事実についての情報収集:サンフランシスコで開催された米国地球物理学連合秋季大会に参加し、現在までの予備的な計算結果についての発表を行うとともに、2004年7月に土星系に到着したカッシーニ探査機による最新の観測結果についての情報収集と、タイタンを含む惑星科学・惑星大気科学の専門化との議論を行った。その結果、タイタンの雲の流体力学的モデリングの意義が確認されたが、同時に、現実的なメタンの熱力学過程をモデルに取り込むことが強く期待されることも再確認された。今後も、ホイヘンスプローブによるデータも含め、観測された条件についての情報収集に努力する必要がある。
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Research Products
(1 results)