2005 Fiscal Year Annual Research Report
AMR法を用いた電磁粒子コードの開発とそのミクロ・マクロスケール結合過程への応用
Project/Area Number |
15654067
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
町田 忍 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70209469)
|
Keywords | 磁気圏 / プラズマ / シミュレーション / 粒子コード / AMR法 / 磁気再結合 / 静電孤立波 / ミクロ・マクロ結合 |
Research Abstract |
自然現象は一連の過程の中に様々な空間スケールを内包し、それらが相互に関連しているのが一般的である。空間スケールの異なる領域を連結して、全体を一つの系として、充分な空間分解能で解き進めることを実現するために、われわれはAdoptive-Mesh Refinement(AMR)法を用いたプラズマ粒子コードを開発した。また、空間的な微細構造を見るために、格子を細分化すると共に、粒子もそれと調和的に分割する方法を開発してコードに組み込む方法を確立させた。 最終年度にあたる今年度は、大規模な系にハリス解で記述される電流層を仮定し、その時間発展を追った。従来より行われてきた同様の計算では、ある時点を境に磁気再結合率が低下する現象がみられ、それは境界条件の影響であるとされてきた。今回のわれわれの計算では、大規模な系を用いたため、計算時間内においては、境界からの影響を取り除いて磁気再結合率の変化を調べることができたが、ここでも同様に、その値が低下する現象がられた。検討の結果、原因は電子とイオンの運動論的な振る舞いの差にあることが判明した。 また、磁気拡散領域で加速された電子が、電流層境界(セパラトリクス・レイヤー)に沿って高速で周辺領域に飛び出してゆくが、その様な電子と背景の電子の間で2流体不安定が起こり、静電的な電子プラズマ波が励起される様相が明らかにされた。さらに、非線型的な段階にまで発展した電子プラズマ波が、衛星観測で頻繁に観測される静電孤立波に発展してゆく様子が明らかにされた。 本研究で作成されたコードは、極めて有効かつ汎用的なため、今後、プラズマ現象のミクロ・マクロ結合過程を研究する際に、広く応用される可能性がある。
|
Research Products
(2 results)