2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654075
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
磯部 博志 熊本大学, 理学部, 助教授 (80311869)
|
Keywords | 原始地球 / 原始大気 / 原始地殻 / H_2O-CO_2系流体 / 超臨界条件 / 共沸点 / 炭素塩鉱物 / 含水ケイ酸塩鉱物 |
Research Abstract |
本研究は,地球形成の最終段階において,水200気圧,CO_260気圧からなる大気が冷却し地球最初の「超高温酸性雨」が降り始めた段階における,揮発成分と初期地球の岩石との反応の解明を目的としている。これは,全圧260気圧におけるH_2O-CO_2二成分系の臨界条件を挟んで,液相の凝縮が起こり始める条件である。本年度は,この条件での実験系を整備し,実験条件を確立した。 1.500℃,50MPa高温高圧容器及びマッフル炉を入手した。 2.原始地球を模擬した試料を,金キャプセルにシュウ酸銀及び水と共に封入し,所定のH_2O-CO_2系流体と鉱物の反応を再現する方法を確立した。 その結果,共沸点近傍のH_2O-CO_2系流体は極めて反応性に富み,主にMg炭酸塩や含水ケイ酸塩鉱物が形成されることが見出された。この結果は,日本鉱物学会及び米国地質学会に参加し,発表した^<1-3>。引き続きより広い条件での反応様式,速度について検討すると共に,大気の冷却過程についての検討と合わせ,原始大気-原始地殻反応系を詳細に議論して論文投稿を準備中である。 ^1池田くるみ・磯部博志:地球初期の地表環境におけるH_2O-CO_2系流体と鉱物の反応実験、日本鉱物学会年会,仙台 ^2H.Isobe & K.Ikeda : Reactions of minerals with H_2O-CO_2 fluid and evolution of the early crust - atmosphere system, Geol.Soc.Am.Ann.Meet.,Seattle ^3K.Ikeda & H.Isobe : Alteration experiments of silicate minerals and the early Earth atmosphere, Geol.Soc.Am.Ann.,Meet.,Seattle
|