2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15655024
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 哲男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20183030)
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Keywords | 氷 / クロマトグラフィー / 電気泳動 / 環境調和 / 新規分離材料 |
Research Abstract |
本研究は、氷を固定相とし、水溶液を移動相とするクロマトグラフィーを確立し、移動相に添加される電解質等を除くと、水以外のものを用いない究極の環境調和型2相分離法を開発することを目的としている。この目的を達成し、さらに発展させるためには、いくつかのステップがある。 1 分離材料として最適な氷製造法を見いだす。 2 氷充填カラム、モノリス氷などを用いて液体クロマトグラフィー、電気クロマトグラフィー、電気泳動などを行い、アイスクロマトグラフィーの有効性を確かめる。 3 氷表面での物質吸着や相互作用は気相での研究が中心であり、水溶液/氷界面での反応はあまり知られていない。アイスクロマトグラフィー分離を通じて新たな相互作用を見いだす可能性も模索する。 今年度は、上記(1)に焦点を絞り、アイスクロマトグラフィーに用いる氷固定相の開発について検討を行った。熱量計のデータを参考に、種々の塩やアルコール系の化合物を添加した状態で、-10℃〜0℃の範囲での氷固定相を調整することを試みたが、現時点では安定した氷固定相を得るに至っていない。特に氷と平衡状態にあると考えられる移動相を流した際に氷固定相が不安定になる傾向があり、次年度にかけてこの問題点を克服する予定である。 一方、氷固定相を用いて電気クロマトグラフィー、電気泳動を行う際に検出法が問題になると考えられる。氷固定相の調製法を確立の後直ちに本検出法を適用できるよう、本研究費で購入した落射型顕微鏡を用いて蛍光検出を行うための検討を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Harada, T.Okada, I.Watanabe: "X-ray absorption fine structure of ions attracted by zwitterionic surface monolayer""Journal of Physical Chemical B. 107. 2275 (2003)
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[Publications] T.Yamashiro, T.Okada: "Capillary electrophoresis as a nanoreactor of separation capability : On-capillary reaction catalyzed by metal ions"Electrophoresis. 24. 2168 (2003)
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[Publications] A.Ikeda, T.Okada: "Complexation of a hydrophobic thiazorylazophenol with Ni^<2+> at sodium dodecylsulfate micellar surface"Journal of Colloid and Interface Science. 264. 496 (2003)
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[Publications] M.Harada, T.Okada: "Ion-exchange at a surface monolayer"Langmuir. 20. 30 (2004)
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[Publications] 原田誠, 岡田哲男, 谷田肇, 渡辺巌: "全反射全電子収量XAFSによる水溶液表面でのイオンの溶媒和構造解析"分析化学. 52. 405 (2003)
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[Publications] 益戸孝, 岡田哲男: "音で粒子を分離する-物質の音響物性に基づく分離の新展開-"化学工業. 54. 415 (2003)