2003 Fiscal Year Annual Research Report
p型半導体/色素自己組職化複合薄膜を用いる反転型太陽電池
Project/Area Number |
15655047
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
吉田 司 岐阜大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90273127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船曳 一正 岐阜大学, 工学部, 助教授 (50273123)
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Keywords | p型半導体 / 色素 / ハイブリッド / 電気化学析出 / 薄膜 / 太陽電池 / HSAB則 / 自己組織化 |
Research Abstract |
色素増感太陽電池に用いられるTiO_2やZnOなどのn型半導体光アノードについて、用いられる色素は硬いLewis塩基として振舞うカルボキシル基やスルホン酸基をアンカー基として有しており、これらが固いLewis酸点として振舞うTi(IV),Zn(II)サイトに安定な結合を形成することが重要と考えられる。この考え方に基づき、固体型色素増感太陽電池のホール輸送材料としても用いられるp-CuSCNと色素分子間の結合形成には典型的軟らかいLewis酸点であるCu(I)サイトに対して、-NCSなどの軟らかいLewis塩基をアンカー基として含む色素が有効と考えられる。この様な色素の例として、Ru(dcbpy)_2(NCS)_2やFluorescein isothiocyanateなどの色素を共存させたCu(ClO_4)_2とLiSCN混合水溶液からの複合体電析を試みたところ、これらの色素で着色されたCuSCN/色素複合体薄膜が得られた。色素分子の吸着に伴い、膜の表面形態や結晶配向性が変化した。また、得られた複合体薄膜は色素分子の増感作用に基づく光カソード機能を示すことも確認され、上述の考え方が光カソード系の構築に有効であることが分かった。 さらに反転のアプローチを一歩前進させ、NCSを色素で置換するのではなく、Cu(I)を色素で置換することによる複合体形成を試みた。ローダミンやオキサジンなどの4級アンモニウム基を有するカチオン性色素を共存させた溶液からの電析により、これらの色素で濃厚に着色された複合体薄膜を得る事に成功し、このアプローチの正しさも確認された。得られた複合体膜中の色素の蛍光は完全に消光されることが分かり、励起状態からのホール注入が示唆された。今後これらの複合体の光カソード機能評価を進める。
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