2005 Fiscal Year Annual Research Report
回転軸を有する超分子構造を利用した力学応答分子素子の創製
Project/Area Number |
15655051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹内 正之 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (70264083)
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Keywords | 超分子 / 力学応答 / 分子素子 / ダブルデッカー型ポルフィリン錯体 |
Research Abstract |
本研究では、メカニカルな回転部位をつないで認識情報を力学応答に変換し、マクロな機能に結びつけることを目的とする。具体的には(1)外部刺激、特にゲスト分子情報を力学応答へ変換する機能性ホスト分子の設計・合成とオリゴマー化、(2)(1)で得られた分子の動的特性およびマクロな動的特性の評価を行う。メカニカルな回転部位をつないで認識情報を力学応答に変換し、マクロな機能に結びつけるという研究はこれまでになく、人工筋肉や分子リフト(本当にものを持ち上げられるか?)などを独創的な観点から創製できるのではないかと考えた。回転を通して認識情報を伝搬するための分子設計指針として、我々がこれまで見いだしてきた「回転軸周りに論理的に認識部位を配置する」という指針を採用し、すべての応答部位に同質の刺激が伝搬するようにする。この部位を架橋し環状体あるいはオリゴマー化する。ここではこのモノマー単位あるいはオリゴマー単位の外部刺激に対する応答が、構造変化すなわち力学応答をする可能性があるかどうかを詳細に検討する予定を立てた。本年度は回転軸として異なる骨格のダブルデッカー型ポルフィリン錯体を2種類持つ化合物を設計した。第二ステージで導入する予定である酸化還元活性部位も兼ねることになる。これらの基本設計をもとにこれらの力学応答モノマー単位をマクロな機能へと変換するためにポリマー化あるいはオリゴマー化するための官能基はダブルデッカー型ポルフィリン錯体を繋ぐ部分へ導入する。本年度は開環重合が可能なダブルデッカー型錯体を合成し、開環重合を試みた。数量体までのオリゴマーは得られており分光学的手法により同定することに成功した。
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