2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15655056
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷岡 明彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10092561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 英俊 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40345393)
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Keywords | セリシン / セリシン複合膜 / 低周波攪拌 / 電磁波 |
Research Abstract |
本年度は生体素材膜の作製および低周波の電磁波による影響を検討するために膜透過セルの作製、物質輸送の検討を行った。 1.生体素材膜の作製 生体由来の素材でアモルファス高分子である蚕から作出した絹セリシンを素材として膜の作製を行った。 (1)単体によるセリシン膜の作製は不可能であった。そこで結晶性でかつ製膜が比較的簡単であるポリビニールアルコールを混合することにより膜の作製が可能となった。 (2)セリシン-ポリビニールアルコールとの複合膜は親水性のため水溶液中で膨潤し、膜として機能することが困難であったが約160℃で熱処理をすることにより膜を作製した。本膜は機能膜として水中で機能することが明らかになった。 2.電磁波(低周波)による物質透過への影響の検討するための透過セルの作製 (1)電磁波(低周波)受けることが可能な透過セルを試作した。この試作セルにより電磁波による膜及び溶液(溶媒)の影響を観察することが可能である。さらに従来のスターラで溶液を攪拌する方法(ランダム攪拌)と一定の低周波数をもってセルの溶液(溶媒)を攪拌(低周波攪拌)する方式が可能であることが明らかになった。 3.物質の輸送について 上記セルを用いてまず市販の荷電膜におけるアミノ酸の透過現象を測定した。その結果ランダム攪拌による透過係数と低周波攪拌による透過係数を比較したとき低周波攪拌の方が透過係数が大きくなることが判明した。
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