2003 Fiscal Year Annual Research Report
無機構造体をテンプレートとする重合による高分子材料のサブミクロン構造構築
Project/Area Number |
15655071
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
三木 定雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30135537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕田 雅彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30229786)
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Keywords | 無機多孔質体 / テンプレート / 炭酸カルシウム / 重合 / 多孔質ポリスチレン / 親水化 |
Research Abstract |
平成15年度では、テンプレートとして、無機多孔質体を用いる系を検討した。 まず、多孔質体として相対密度約78%の炭酸カルシウムを使った。ジビニルベンゼン(5%)を含むスチレンを重合開始剤を添加して多孔質炭酸カルシウムの微細孔内に含浸させたうえ、共液中に浸漬させた状態でAr雰囲気下に加熱する。加熱温度約100℃で約3時間とした。試料のみを削りだし希塩酸中に放置して炭酸カルシウム部分を溶かし去った。得られた試料の破面をSEMにより観察したところ、炭酸カルシウムは完全に取り除かれ、炭酸カルシウムのあった空間に高分子が充填された構造が観測され、高分子のみによる立体網目構造を構築することができた。バルク体積、質量、ポリスチレンの密度から見積もったところ、相対密度は約20%であり、無機物の構造とちょうどポジ/ネガの関係になっている。得られた多孔質ポリスチレンは堅いものであるが、ベンゼン中に浸漬させると、コンニャクのようなレオロジーを示す。しかし、バルク体積における膨張は見られなかった。 得られた多孔貿ポリスチレンの孔内に濃硫酸を含浸させ、100度で4時間加熱した。濃硫酸を除去したのち、水で何回も洗浄、さらにエタノールで洗浄したところ、親水化したものが得られた。乾燥状態での質量増加からは、ほとんどのセグメントがスルホン酸化されたものと考えられる。この場合、水に浸漬させると、体積増大が観測され、ついには形状破壊に至った。現在、弱い条件でのスルホン酸化を検討している。
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