2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15655076
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
関根 利守 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主席研究員 (70343829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 浩司 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主幹研究員 (90354399)
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Keywords | 衝撃圧縮合成法 / 窒化炭素 / ジシアンジアミド / メラミン / 衝撃波 / チオセミカルバジド / X線回析法 |
Research Abstract |
昨年度は、チオセミカルバジドの熱分解生成物を出発原料として衝撃回収実験を行ったが、本年度はジシアンジアミドやメラミンからの窒化炭素の生成について実験的に検討した。これらは、それぞれ次に反応式でC_3N_4の生成が期待される。3C_2N_4H_4=2C_3N_4+4NH_3およびC_3N_6H_6=C_3N_4+2NH_3。実験は銅製容器に原料を封入し標的として、高速加速された飛翔体を衝突させ、平面衝撃波を発生することで衝撃処理を行った。衝突速度は2km/sまでの範囲で行ったが、衝撃波による反応で容器内部にガスが生成し、容器の一部を破壊したために容器中に残った固体試料を採取して検討した。 その結果、ジシアンジアミドは24GPaまでは安定で、28GPaまで衝撃圧が上昇するとメラミンおよび未知相がX線回折法で同定された。更に強い衝撃圧を受けるとメラミンの重合体と考えられる相に転移した。これはジシアノジアミドの常圧下での熱分解し170℃以上でメラミンが生成することに対応し、更に大きな分子に脱アンモニア化するとメラン、メレン、あるいはメロンになると期待されている。これらの反応を衝撃圧縮下で検討するためにメラミンを出発原料に衝撃回収実験を行った。その結果、メラミンは37GPaまでは安定で、42GPaになると試料容器が破壊され試料回収が困難だった。得られた未知相はX線回折パターンの解析から単斜晶系に属する新しい相として同定され、チオセミカルバジドの熱分解生成物とジシアンジアミドの衝撃圧縮法で得られたβ-C_3N_4と一緒に生成することが明らかになった。 衝撃圧縮合成法で種々の窒化炭素が得られることが明らかになり、今後更に得られた結果を精査し論文として投稿する予定である。
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Research Products
(5 results)