2004 Fiscal Year Annual Research Report
発光タンパク質溶液におけるレーザー作用発現に関する基礎研究
Project/Area Number |
15656002
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大西 彰正 山形大学, 理学部, 助教授 (90261677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 実 山形大学, 理学部, 教授 (10116593)
久野 敦 産業技術総合研究所, 研究員 (50302287)
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Keywords | 発光タンパク質溶液 / レーザー作用 |
Research Abstract |
生体分子である発光タンパク質溶液のレーザー作用の有無を調べるため、パルスレーザー光を用いて、(1)発光強度の励起光強度依存性、(2)発光強度の励起領域長依存性の実験を行った。0〜0.1mJの励起には窒素ガスレーザーを、0.1〜1mJの励起にはアルゴンフッ素エキシマレーザーを用いた。実験試料には、市販のGFP(Green Fluorescent Protein)およびBFP(Blue Fluorescent Protein)発光タンパク質発現ベクターを大腸菌に形成転換し,IPTG誘導により発光タンパク質を発現させ、集菌後,菌体抽出液中の発光タンパク質をNi-NTAアガロースアフィニティークロマトグラフィーにより精製し,それをタンパク標品とした。その後、緩衝剤で濃度調整をした。 実験(1)に関しては、石英セル内の発光タンパク質溶液に、レーザー光を両凸石英レンズまたはシリンドリカル石英レンズで集光後照射した。励起光強度はNDフィルターにより4桁にわたって変化させた。取得データをI=AI_0^n(Iは発光強度、I_0は励起光強度、Aは定数)の関係式により解析した結果、低励起下ではn=1となって、発光強度は励起光強度に対してlinearな依存性を示した。強励起下になるとn<1とunderlinearな依存性が観測された。実験(2)においては、励起領域長を0〜4mmの範囲で変化させた。レーザー光をシリンドリカル石英レンズで集光後、試料に照射した。取得データをI=I_s{exp(gL)-1}(I_sは単位励起長当たりの自然発光強度、gは正味の光学利得)にしたがって解析したところ、負の光学利得が得られた。以上のことから、発光タンパク質溶液では、色素溶液と同様のレーザー作用が期待されたが、今回の研究から、レーザー光照射によるタンパク質溶液のダメージが大きく、期待されたレーザー作用は観測できなかった。
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