2004 Fiscal Year Annual Research Report
UHV-TEMを用いたLa注入シリコンナノドットアレイ電界発光素子の開発
Project/Area Number |
15656013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 吉秀 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70221215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 了平 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 教授 (80343242)
吉田 清和 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 教務職員 (50263223)
永富 清隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90314369)
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Keywords | シリコンナノドット / 電子線照射 / 希土類金属 / 発光中心 / ガス雰囲気観察 |
Research Abstract |
電子のエネルギーによるシリコン酸素間の結合を切ることで、電子線照射による直接露光で酸化シリコンにシリコンナノ粒子を形成する事ができる。ここに希土類のランタンを蒸着し、高エネルギーの電子照射によりランタンの注入を行う。間接遷移型のシリコンは発光効率が悪く、発光素子としては使用できないと考えられているが、ナノ粒子化することによりエネルギーバンド構造が変化し、さらに、発光中心となるランタンを注入する事により発光素子としての可能性が近年高まってきた。 本年度は、ナノシリコンの発光を観察できるように、タングステンフィラメントのような発光を伴わない電界放出型の電子銃を備えた走査型電子顕微鏡を改造した。電子線照射による発光を観察する事で、発光しているシリコンナノ粒子を観察できるようになり、発光部位の特定を行う事が可能となった。そこで、ナノシリコンが多数含まれていると考えられている陽極酸化を用いたポーラスシリコンを作成し、電子線照射による発光の観察を試みた。 ポーラスシリコンは紫外線照射により発光するが、その発光が認められない試料でも電子線照射により発光する試料があり、蛍光による発光とは異なったメカニズムで発光していると考えられるものが確認された。しかしながらこの発光は初期段階では強度の高い発光を示すものの、電子線照射と共に強度が減衰し、実用には程遠い寿命である事がわかった。また、発光の減衰した試料を大気中に放置する事で、完全ではないが発光強度が回復する現象も現われた。これは、電子線の照射によりナノシリコン周辺の酸素原子が飛び、シリコン粒子が大きくなる為だと考えられ、大気中で再度酸化が進み粒子径が小さくなり発光が回復すると考えられる。
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