2003 Fiscal Year Annual Research Report
偏光制御量子ドット材料とサブバンド間遷移面型受光デバイスへの応用
Project/Area Number |
15656018
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
和田 修 神戸大学, 工学部, 教授 (90335422)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 義昭 (株)富士通研究所, フォトノベルテクノロジ研究部, 主任研究員
喜多 隆 神戸大学, 工学部, 助教授 (10221186)
|
Keywords | 量子ドット / サブバンド間遷移 / 受光素子 / 偏光依存性 / フォトルミネッセンス / 量子ドット形状 / 面型光デバイス |
Research Abstract |
量子ドット材料では量子閉じ込めによる光応答の増強が期待され、一方、サブバンド間遷移現象では、単極キャリア動作による超高速性が期待される。本研究は、独自の量子ドット構造によってこれらの利点を融合した新らたな量子ドット・サブバンド間遷移材料を実現し、かつ、受光デバイスへの応用可能性を評価することを目的としている。これまでは、従来の量子ドットの扁平形状に起因する偏光依存性があるため、サブバンド間遷移にも強い偏光依存性が表れるため、融合のメリットは期待できなかった。これに対し、本研究では独自のドット偏光特性の制御方法を見出して導入することにより、融合のメリットを引き出すことを目指している。 本年度はまず独自の偏光制御方法として、ドット・キャップ層組成の変化により偏光を制御する可能性を検討した。InAs/GaAs量子ドットにおいて、キャップ層を通常のGaAsからInGaAs(In組成0.13以上)に変化させて、端面フォトルミネッセンス発光の偏光特性を評価した。その結果、GaAsキャップ層では従来どおりTE偏光優勢であるのに対し、InGaAs(In組成0.13)キャップ層ではTM偏光優勢となる事が分った。この事は、キャップ層のIn組成増加によってIn原子の偏析が抑制されることによるドット形状の等方化か、またはドット界面の歪の変化によるものかを示唆するものと解釈される。物理機構の解明は今後の課題ながら、キャップ層組成制御によって偏光無依存のドットが実現できる事が明らかになった。したがって、ドットにおける等方的なサブバンド開遷移が実現できることを示すものと考えられる。目的に向けて極めて重要な基本的効果を実証したものと考えている。
|
Research Products
(1 results)