2003 Fiscal Year Annual Research Report
イメージングプレートを用いた4π計測システムの構築とその応用
Project/Area Number |
15656022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸崎 充男 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (70207570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 大輔 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (90324681)
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Keywords | イメージングプレート(IP) / 4π計測 / 炭素ビーム / 散乱角度 / 粒子弁別 / ダブルコリメーター / イオンビーム散乱実験 / タンデム・バンデグラフ加速器 |
Research Abstract |
本研究は、高速荷電粒子の散乱実験の使用を目的に、イメージングプレート(IP)の特性を利用した線量蓄積型の4π計測システムの開発を目指すものである。2ヶ年計画で今年度は初年度にあたる。予備実験後の結果、初年度は、まず最前方の散乱実験用の計測システム開発に的を絞り実験研究を進めた。 実験は、京都大学理学部8MVタンデム・バンデグラフ加速器を用いイオンビーム散乱実験を行い、IPの読み取り解析評価は所属のセンターにて行っている。具体的に、エネルギー16MeVの炭素ビームを用い散乱角0〜5度の測定を行いながら、測定および実験条件の整備、方法を検討した。計測に関しては、IPに対する炭素ビームの線量等の定量的な議論を進めていくために、装置に半導体検出器(PIPS)を組み込み、IP測定と同じ測定条件で炭素ビーム量を評価出来るようにした。さらに、炭素ビームの散乱角度の設定測定の精度を上げるために1mm径のダブルコリメーターを組み込み、レーザーでビーム軸をアジャスト出来る仕組みを構築した。また、装置散乱槽のIPセット部分にゲートバルブを取り付け、本体の真空を保ったままIPの交換が出来るよう工夫を重ね、実験開発用のテスト装置を構築した。 実験装置の全体的な設計製作にあたっては、いくつかの問題も明らかになった。例えば、IPから放出されるアウトガスのため到達真空度が上がらない。散乱用の標的から電子、X線、散乱イオン等あらゆるものがIPに入射してくる場合の粒子弁別の問題、さらに、真のイベント(測定したい散乱粒子)とバックグランドとのS/Nを改善する問題等、実験計測システムの完成にあたり克服すべき問題も明らかになってきた。加速器からの炭素ビームを用いた実験と平行して、各放射線に対するIPの基本的な応答等について、当放射性同位元素総合センターにて、RIを用いた実験を進めている。
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