2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656032
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
戸高 孝 大分大学, 工学部, 助教授 (50163994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎園 正人 大分大学, 工学部, 教授 (40136784)
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Keywords | 磁気変態 / 誘導加熱 / インテリジェント材料 / キュリー温度 / 高透磁率 / 高耐食性合金 |
Research Abstract |
インテリジェント誘導加熱材料として,キュリー温度が100℃〜300℃程度の範囲となる耐食性の良い強磁性合金の開発研究を行った。磁気変態点より低い温度では高い透磁率をもち,変態点以上では常磁性または低い透磁率をもつので,変態点以下の温度ではインダクタンスが大きくかつ磁束の結合係数が大きく高い加熱効率を得ることができる。加熱温度が磁気変態点を超えると透磁率が低下して過熱対象には電力が供給されず、温度の上昇が押えられる。さらに温度が低下するとこんどは透磁率が上昇して電力が供給されるため加熱温度を一定に保つことが可能となる。すなわち双方向の自己修復機能が実現できる。 著者らは,強磁性のFe-Siに耐腐食性のCrを加え、キュリー点制御のためMnの添加を検討してきたが,さらに耐腐食性のよいステンレスSUS430(Fe_<80.06>-Cr_<18>-Mn_1-Si_<0.75>-C_<0.12>-P_<0.04>-S_<0.03>:キュリー温度680℃)にMnを添加して変態点の制御を検討した。Mnの添加量を増していくとキュリー温度はほぼMn添加量に比例して低下した。飽和磁化も同様に低下するが,Mnが40%以上ではその割合が大きくなった。実用化のためにはキュリー温度が100℃〜300℃程度の範囲となるものが好ましいが,開発した材料では磁化が減少する欠点がある。より高透磁率となるものを目標としてステンレスSUS430に対するいくつかの添加元素の影響を検討した(Al, Cr, Cu, Ti, Si)。結果としてAlの添加により270℃のキュリー温度を実現できたが,添加量が12[Wt%]と多く飽和磁化の減少は避けられなかった。ステンレスと類似の特性を保ちながら微量の添加でキュリー温度の制御ができることが必要であり,伸びや硬さなどの機械的性質並びに生産性の観点での問題がまだ残されている。
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Research Products
(4 results)