2003 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ医療機器開発を目的とした微生物における原形質流動に関する研究
Project/Area Number |
15656052
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
望月 修 東洋大学, 工学部, 教授 (50157830)
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Keywords | 微生物 / 原形質流動 / 顕微鏡撮影 / アメーバ / マイクロPTV / マイクロロボット |
Research Abstract |
ソフトマイクロロボットとしての自走式カプセルを実現するために,たとえば粘菌変形体やアメーバなどの微生物における運動機能の解明を原形質流動と細胞壁変形の関係をマイクロフロービジュアリゼーション技術による速度場計測によって明らかにする.また,外部刺激に対する応答特性を明らかにする.平成15年度は,原形質流動のマイクロビジュアリゼーションによる流れ場解析を行い,以下のことを明らかにした. マイクロフロービジュアリゼーションによる原形質流動の観察 アメーバ体内に含まれる高比重顆粒により原形質流動を顕微鏡(Power BX)下において観察した.得られた画像をPIV解析ソフトを用いることにより,原形質流動における速度場,ひずみ速度場を求めた.原型質内に含まれる約1.5ミクロンの直径をもつ高比重顆粒を追跡することでマクロな流れの速度を求める.その際原型質内の液状部分におけるブラウン運動によるノイズを除去してマクロな運動における速度を求めた.このようにして顕微鏡下で観察される原形質の運動の中で特に,仮足と呼ばれる伸びる部分に流れ込む様子に着目してそこにおける速度場を求めた.これは将来的にマイクロロボットを考えたとき運動機構を応用するためである.伸びる仮足の原形質流動は仮足の中心部分だけであり,側面では流動が見られない.また,仮足先端では流動のよどみ点でありそこで流れは停止しているように見える.このことは流れの連続性を考えると不思議である.すなわち,仮足先端に流れ込んだ原型質はどこへ行くのか,ということである.当然流れの連続性を満たすならば中心から流れ込み側面に沿って戻る流れがないといけないことになる.この点を解明するのに種々の観測を行った.この結果は日本機械学会所属研究分科会,日本機械学会全国大会講演会,COEプログラム国際シンポジウムにて発表を行った.
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