2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧野 俊郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (30111941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 充弘 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10229578)
若林 英信 京都大学, 工学研究科, 助手 (00273467)
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Keywords | 分光測定 / 熱ふく射物性 / ふく射伝熱 / ふく射応用計測 / 表面診断 / 温度測定 / 表面あらさ / 表面被膜 |
Research Abstract |
この研究課題は,工業装置の実環境下あるいは表面のミクロ加工プロセス下にあってそのミクロ構造を時々刻々にも変化しつつある固体の実在表面の温度・ミクロ構造(被膜の厚さや表面あらさ)を,熱ふく射スペクトルの測定を通じて非接触・実時間的に診断する新しいスペクトル診断法を提案し,その有効性を検証するものであり,熱工学の側からインプロセス表面診断法の進展に寄与するものである. この研究では,研究代表者・研究分担者らがさきに開発した近紫外〜赤外域のふく射の反射・放射スペクトルを2sのサイクル時間で測定する広波長域高速ふく射スペクトル測定装置をハードウェアの基礎とした.表面温度の診断では,ふく射の波長と方向についてKirchhoffの法則を厳密に考え,同時測定される反射・放射スペクトルを解析するアクティブな温度診断法を導入し,放射率などのふく射性質が未知で時々刻々にも変化する1000Kレベルの高温の実在表面の温度を,10K以内の不正確さをもって非接触・実時間診断することを可能にした.表面のミクロ構造の診断では,ふく射の薄膜干渉と表面散乱・回折に注目する電磁波動論とふく射伝熱学の診断アルゴリズ厶を提案して,成長しつつある表面被膜の厚さとあらさを非接触・実時間診断することを可能にした.高温大気酸化過程にある金属表面を対象とする検証実験では,この方法が0.1〜4μmの平均被膜厚さ,10〜700nmの平方根平均2乗あらさについて有効であることが例証された.この広い診断の大きさ領域は,広波長域スペクトル測定によって可能になったものである.
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Research Products
(6 results)