2003 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザー極微加工法を導入した細胞センサ型局所環境モニタシステムの開発
Project/Area Number |
15656069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 勉 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 武史 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (70314408)
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Keywords | 細胞センサー / 微細加工 / フェムト秒パルスレーザー / 環境モニタ / キャピラリー電気泳動 |
Research Abstract |
細胞をセンサーチップとし、キャピラリー電気泳動と結合する。その際、細胞に高電界がかからぬよう要所に電位バイパスの仕組みを作り、さらに内壁には細胞接着素地を作る必要があるなど、高度かつ精緻なガラスマイクロ加工技術を要する。このような高精緻加工にフェムト秒レーザーによる非熱瞬時極微剥離を利用する。高出力フェムト秒レーザーを使用する機会を得たので、パルスレーザーによる遠隔顕微ドリル加工法の研究を行い、標記モニタシステムへ展開することを目的とする。 今年度は主としてフェムト秒レーザーによる平面ガラス加工トライアルを行った。さらに細胞分子構造の変化に敏感な第二高調波光(SHG光)の導入を試み、SHG光応用に関する成果を発表した(別記論文リスト参照)。また励起光源としての発光ダイオード(LED)の分光研究も平行して行った。 ガラスチューブ壁面にフェムト秒レーザーを照射して、微細孔を開けることができた。しかしながら孔位置の制御のために顕微モニターシステムの導入が必要であることが分かり、現在その導入を計画している。キャピラリー電気泳動については、泳動動作を確認した。細胞をセンサーとして活用する手法についてはこれまでの実績通り、ローダミン染色した酵母菌を使用し、その蛍光を顕微鏡下で観測した。酵母菌を長さ31cm,内径25μmのガラス管(キャピラリー)内の中央付近に付着させ、キャピラリー両端に5kVの直流電圧をかける。サンプル槽に2mMの水銀イオン溶液を注入した場合とpH2.5の酸性溶液注入では蛍光上昇に時間差が生じた。これらの液によって細胞が反応を起こし、一時的に活性が上がって蛍光ピークができることを確認した。
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