2004 Fiscal Year Annual Research Report
超音波モータを用いた超高速・精緻なマスター・スレーブロボットハンド
Project/Area Number |
15656070
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前野 隆司 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (20276413)
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Keywords | 超音波モータ |
Research Abstract |
超音波モータは振動子と回転子との摩擦接触による非線形性や振動子の温度や負荷トルクによる振動子の周波数特性の変動といった特性を有し,その制御モデルは非線形かつ時変システムである.そのため,超音波モータの制御系を設計する際にはこれらの特性を考慮しなければならない.本研究では進行波型超音波モータを振動子モデル,摩擦接触モデルと回転子モデルに分けて制御モデルを構築した.摩擦接触モデルとして滑りを考慮した離散ばねモデルを用いた.離散ばねモデルでは進行波の振幅が既知であることを前提条件としているため,振動子の振動振幅制御を提案し,振動子モデルを用いて振幅制御系を設計した.制御器として高速演算が可能なハードウェア論理回路FPGAを用いることにより,サンプリング時間20ns,制御周期28ms,周波数分解能59kHzという従来のソフトウェア制御では不可能であった性能を実現した.ステップ応答および周波数応答実験を行った結果,良い目標値追従性を示した.そして,設計した振幅制御系を用いてトルク-回転数特性を測定し,摩擦接触モデルによる数値解析との比較により摩擦接触モデルのパラメータを決定した.次に,振動振幅制御を内部ループとするトルク制御系を設計した.トルクを指令するステップ応答実験を行った結果,定常誤差が0.9%という結果を得た.従来研究における定常誤差10%よりも小さい値となり,本研究において提案・設計したトルク制御系が有効であることを示した.
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Research Products
(2 results)