2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656078
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角田 匡清 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80250702)
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Keywords | 交換磁気異方性 / スピンバルブ / 磁性薄膜 / 磁気抵抗効果 / バリスティックMR / ナノコンタクト / トンネル障壁膜 |
Research Abstract |
2つの強磁性体のナノコンタクトで観測されるバリスティック磁気抵抗(BMR)効果を解明・実用化するためには、電子伝導の量子化が発現するナノメートルオーダーの電流の絞込み領域を完全に制御して形成することが最も重要な技術である。本研究の目印の第一は、超清浄雰囲気スパッタ法ならびに申請者らが開発したマイクロ波励起低電子温度プラズマ酸化・窒化法を用い、極薄絶縁膜面内へのナノメートルオーダーの導電領域(ナノコンタクトホール:NCH)の均一形成手法を開発し、強磁性層/NCH絶縁層/強磁性層/反強磁性層の基本4層構成からなるスピンバルブ型バリスティックMR薄膜を作製することにある。作製された同薄膜を用い、BMR郊果のNCH密度依存性、NCH径依存性、NCH絶縁層膜厚依存性などの基礎物性評価を通じて、BMR効果の解明とその実用化へ向けたナノ構造制御の主導原理の導出を図ることが目的の第二である。本年度は上記目的を実現するための要素技術開発を行った。反強磁性層による強磁性層磁化の確実な固着を実現するために、熱酸化膜付きSi基板上に作成したMn-Ir/Co-Fe積層膜を、積層界面における異種原子の相互拡散を生じないような低温(250℃)で、磁界中で長時間(200時間)熱処理を行うことによって、室温で最大0.87erg/cm^2の極めて大きな値を誘導することに成功した。またNCH絶縁層のマトリクスとなる極薄絶縁層形成プロセスとして上記マイクロ波励起低電子温度プラズマ窒化によるAl-N膜の形成を検討した結果、Al膜厚10Åの場合に従来報告の最大値33%を大きく上回る49%のTMR比が得られることを明らかとした。
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Research Products
(1 results)