2003 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの配向制御と自己整合型トランジスタへの応用
Project/Area Number |
15656082
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 明 東京工業大学, 量子効果エレクトロニクス研究センター, 助教授 (40220363)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 熱フィラメント法 / カーボンフィラメント / 配向性制御 |
Research Abstract |
現在Siに替わる新素材として、カーボンナノチューブ(CNT)が注目されている。これまでCNTのトランジスタ応用に関しては、数件の発表例がある。しかしながら、そのほとんどがCNT作製後、溶液中に分散させ、これを基板上に掬い取り、電極パターンを形成したものである。この手法では、単独のトランジスタは動作するが、その集積化は困難である。そこで本研究では、CNTの電子デバイス応用を目指し、その成長位置の制御、並びに配向性制御を目指して研究を進めた。初年度は、CNTの成長技術の確立を目的に研究を遂行した。 本研究ではCNT作製のため、高温でも変形しにくくCNT成長の触媒にならない、カーボンフィラメントを用いた熱フィラメントCVD法を採用した。熱フィラメント法では、フィラメントにより反応ガスが熱分解されるため、低温成長が可能であるという利点がある。また、CNTの成長には触媒が重要であるが、本研究ではFe/Co系触媒を使用した。これにより、原料ガスとしてH_2およびC_2H_2を用いて、基板温度560〜750℃という従来にない低温度において単層CNTの作製に成功した。また、C_2H_2の最適流量について検討したところ、C_2H_2濃度1.5%が最適値であることを見出した。 上記結果を元にデバイス応用を目指し、はじめにCNT成長の位置制御を試みた。位置制御は、フォトリソグラフィ法により、柱状構造を有する触媒パターンを形成することで行った。その結果、CNTは触媒金属が存在する部分のみに成長することを見出すとともに、柱状間距離によっては、柱間を架橋成長することを明らかにした。この結果は、デバイス応用にとって極めて重要な結果である。さらに、CNT成長の配向性制御を目的に、成長時における電界印加を行い、電界方向にCNTが成長するとの知見を得た。今後は、電界効果を利用した成長を利用して、デバイス構造を作製していく予定である。
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Research Products
(1 results)