2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの配向制御と自己整合型トランジスタへの応用
Project/Area Number |
15656082
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 明 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 助教授 (40220363)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 熱フィラメント法 / 配向性制御 / 電界印加 |
Research Abstract |
現在Siに替わる新素材として、カーボンナノチューブ(CNT)が注目されている。これまでCNTのデバイス応用は、CNTを基板上にすくい取り、後から電極等を形成してきた。しかしながらこの手法では、集積化を行なうことが困難である。 本研究では、CNTのデバイス応用を目指し、CNTの成長の位置制御、及び配向性制御を目的に研究を進めてきた。昨年度、触媒のパターニングにより、CNTの位置制御が可能であることを見出すとともに、熱フィラメント法を用いることで、基板温度576〜750℃という従来に無い低温度においてCNTが成長可能であることを明らかにした。そこで本年度は、CNTの配向性制御を目的に研究を進めた。 CNTの配向性制御として、電界印加効果を用いた。このための電極にはMoを用いた。また、電極間の間隔は2μmとした。このMo電極上に、昨年度開発したFe/Co系触媒をリフトオフ法により塗布し、成長時に電極間に電圧を印加することで、電界が成長に及ぼす効果を調べた。その結果、電界強度0.25V/μmにおいてCNTが電界方向に沿って成長することを新たに見出した。また電界強度0.8V/μmにおいて、ギャップ2μmの電極間の架橋成長に成功した。しかしながら、電界強度を2V/μmまで高めると、電極間にグラファイト状の堆積物が生成することが明らかとなり、印加する電界に最適値があることが分かった。電界により、CNTが電界方向に沿って成長する理由として、CNT自体の誘電現象、及びCNTの先端付近の帯電現象が考えられる。 さらに本研究ではCNTの位置制御として、従来のFe/Co触媒に替わり、新しい触媒微粒子を用いることを新たに提案した。初期的段階ながら、新しい触媒微粒子を用いてCNTの成長が可能であること、また触媒の粒径が揃っていることを反映し、得られたCNTの直径が揃っていることを見出した。これら知見は、CNTの新しい成長技術として極めて重要である。
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Research Products
(1 results)