2003 Fiscal Year Annual Research Report
PLD法によるNdFeB厚膜磁石の低温プロセス作製と医療用マイクロマシンへの応用
Project/Area Number |
15656084
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中野 正基 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助手 (20274623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 和志 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20203036)
荒井 賢一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40006268)
福永 博俊 長崎大学, 工学部, 教授 (10136533)
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Keywords | PLD法 / NdFeB磁石 / 厚膜磁石 / マイクロマシン / 低温プロセス / 泳動特性 / 保磁力 / 残留磁化 |
Research Abstract |
すでに申請者はPLD法(Pulsed Laser Deposition法)を用い、Nd-Fe-B系厚膜磁石を1時間あたり最高で80μmの成膜速度により作製してきた。最近では、磁気を利用したマイクロマシン(磁界駆動型マイクロマシン)の研究グループ(東北大学)と協力し、厚膜磁石を施した長さ1mm程度、径0.1mm程度のスパイラル型マシンに外部磁界を印加させ、粘性の高い液体中をスムーズに泳動できることを確認した。 本研究では、上述した磁石膜を「医療用マイクロマシン」へ展開するため、「熱に弱いフレキシブルなポリ系材料」への成膜を鑑み、低温プロセスによるNd-Fe-B系厚膜磁石の作製を目的とする。PLD法によるNdFeB膜作製時の「低温プロセス化」すなわち室温の基板(もしくは室温のワイヤ)上に「結晶化」ならびに「優れた磁気特性」を有する試料の成膜プロセスを検討するに当たり、すでに申請者がソフトフェライト膜の作製において提案した「不活性ガス雰囲気注低温プロセスPLD法」を利用する。具体的には、以下の手順で行う。(1)チェンバ内を不活性なガス雰囲気にする。(2)パルスレーザをターゲットに照射し、飛び出す高エネルギーな原子、分子、イオン等をArガスで急冷・凝縮し微結晶化させる。(3)その際、ターゲットより飛び出す巨大な粒子(ドロップレット)は、ターゲットと基板の間の遮蔽板で除去し、細かな粒子のみをArガスとの衝突を利用し基板上へ輸送する。 本年度はNd-Fe-B磁石厚膜の作製に上記の「低温プロセス」を応用する際、「試料の酸化」ならびに「結晶化の様子」を吟味し、酸素含有量・チェンバ内壁からのガス流失を極力抑制し、活性の高いNdの酸化を抑制するため、「200mm径の小型チェンバ」を設計作製するとともに、「超高純度のArガス雰囲気中」でのNd-Fe-B系磁石膜の作製を検討する。
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[Publications] M.Nakano, R.Katoh, H.Fukunaga, S.Tutumi, F.Yamashita: "Fabrication of Nb-Fe-B thick film magnets by high speed PLD method"IEEE Trans.Mgn.. Vol.39 No.5. 2863-2865 (2003)
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[Publications] M.Nakano, R.Katoh, H.Fukunaga, S.Tutumi, F.Yamashita: "Advancement in NdFeB Thick Film Magnets Fabricated with YAG Laser Ablation System"J.Magn.Magn.Mater.. (in press). (2004)