2004 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子-フラーレン複合体の分子複合界面制御と光電デバイス応用に関する研究
Project/Area Number |
15656088
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
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Keywords | 導電性高分子 / フラーレン / 光誘起電荷移動 / 相互浸透界面 / 太陽電池 / 光電変換 / ポリ(3-アルキルチオフェン) / C_<60> |
Research Abstract |
本研究では、分子複合界面をミクロンオーダーさらにはナノサイズで制御する技術を開発、導入することで、導電性高分子-フラーレン複合体光電デバイスの飛躍的な性能の向上を目指すと共に、次世代有機電子デバイスの提案することを目的としている。具体的には、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン骨格といったπ電子共役系が高度に発達し、高い光電変換特性を示す導電性高分子と、C_<60>、C_<70>等のフラーレン及びフラーレン誘導体、さらにはカーボンナノチューブを用いた光電変換素子の作成において、分子複合界面の制御を行った。 その結果を以下にまとめる。 (1)導電性高分子-フラーレン複合体のヘテロ接合界面におけるナノサイズの分子複合界面の制御として、フォトリソグラフィーの微細加工技術、さらにはSNOMによる微小露光技術を応用し、構造的な断面積の増大を行なった。導電性高分子-フラーレンの分子複合界面の制御における最適な条件を明らかにした。 (2)フェムト秒チタンサファイヤレーザー及び時間分解蛍光測定装置を応用し、ピコ秒時間分解変調分光システムを構築し、導電性高分子-フラーレン複合体のヘテロ接合界面の時間分解光誘起吸収、時間分解蛍光及び時間分解電界誘起吸収を測定し、非線形光電導とポーラロン対再結合についての知見を得た。 (3)フラーレン蒸着膜上に導電性高分子をスピンコートすることにより、100nm以下の凹凸形状をもったヘテロ接合が形成されることを見出し、導電性高分子-フラーレン相互浸透界面の形成における溶媒依存性、温度依存性、スピンコート条件依存性、膜厚依存性などを明らかにした。更に電極界面の微細加工により分子複合界面の面積増加が可能であることも明らかにした。 (4)上記の手法による分子複合界面制御を行なった薄膜を用いて、光電デバイスの作製を行い、光学的性質、電気的性質、光電変換特性等の特性評価を行った。導電性高分子-フラーレン相互浸透界面では反射率が大幅に低下することが明らかになり、光電変換効率についても大幅に改善された。即ち、導電性高分子-フラーレン複合体において分子複合界面が重要であり、その制御が可能であることを明らかにするとともに、複雑な界面形成により有機デバイスの性能の向上を示唆する結果を得た。
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Research Products
(6 results)