2003 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタルゴーストに基づくマルチメディア用電子透かし方式に関する研究
Project/Area Number |
15656092
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小田 弘 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (30195739)
|
Keywords | ディジタルゴースト / 電子透かし / ケプストラム / 伝送符号 / 拡散系列 / M系列 / Gold系列 / マルチメディア |
Research Abstract |
本研究はディジタルゴーストに基づくマルチメディア用電子透かし方式を新たに提案し、その基本特性を理論と実験の両面から確認することを目的としている。本研究で得られた新たな知見等の成果は次の通りである。 (1)ケプストラム(対数パワースペクトルをラーリエ逆変換したもの)を利用してディジタルゴースト画像から遅延検出を高感度に行う方法について基礎的検討を行った。まず、ゴースト画像モデルのケプストラムを定式化した後、ケプストラムの性能向上を行うために「ケプストラム差分e pc(q)」を定義し基本性質を調べた。その結果、合成されたケプストラム差分「d-e pc(M)-e pc(O)」を用いると、元のケプストラム差分e pc(M)の感度が約3倍に向上することがわかった。 (2)次に、基本的な伝送符号(単極・両極符号)に対する透かし入り画像のSNR(信号対雑音比)特性を調べた。その結果、透かし抽出時に原画像を用いない「公開透かし方式」の場合に、「単極符号の透かし入り画像のSNR(SNR1)-両極符号の透かし入り画像のSNR(SNR2)≒3[dB]」となることを実験的に示した。更に、確率的信号モデルを用い単極・両極符号に対するSNRを定式化し、「SNR1-SNR2=10log_<10>(2)≒3.01[dB]」となることを証明した。 (3)拡散系列(擬似ランダム系列)を透かし情報として利用するために、M系列やGold列の基本特性を調べた。その結果、M系列やGold系列はビット誤り率が35%〜40%程度であっても、相関法を用いて元の系列パターンを特定できることがわかった。 (4)研究成果を国際会議で発表すると共に、電子透かし技術および拡散系列に関する最新の資料を収集するために外国旅行(カナダ、スペイン)を行った。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] H.Koda, T.Ogawa, S.Sakata: "A scheme of oblivious Ghost-watermarking based on cepstral analysis and correlation techniques"Proc.of IEEE Pacific Rim Conference on Communications, Computers and Signal Processing (PACRIM'03). Vol.1. 996-999 (2003)
-
[Publications] H.Koda, T.Ogawa, S.Sakata: "Non-Oblivious and Oblivious Schemes of Ghost-based Watermarking via Cepstral Difference and M-sequence"Proc.of The 2003 International TICSP Workshop on Spectral Methods and Multirate Signal Processing (SMMSP2003). TICSP Series #22. 101-108 (2003)
-
[Publications] 小川智之, 小田 弘, 阪田省二郎: "DCT領域でのゴーストモデルに基づく電子透かし方式に関する一検討"第26回情報理論とその応用シンポジウム 予稿集. Vol.1. 313-316 (2003)
-
[Publications] 門脇寛之, 小田 弘, 阪田省二郎: "Gold系列を用いたディジタルゴースト透かし方式に関する一検討"平成15年度電子情報通信学会東京支部学生会 研究発表会 予稿集. Vol.1. 76 (2004)