2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造材料の中性化をモニタリングするための光ファイバーセンサの検討
Project/Area Number |
15656104
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保内 昌敏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00186446)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 健 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90016585)
|
Keywords | コンクリート / 中性化 / モニタリング / 光ファイバー / pH / フェノールフタレイン / ゲル |
Research Abstract |
コンクリート構造物を非破壊でその内部の中性化についてモニタリングするための手法を,光ファイバーで内部のpH変化を検知するという概念で行うことを目的とし,昨年度はフェノールフタレインを添加したPVA/四ホウ酸Naゲルを作製し,センシングモジュール部へこのゲルを詰め込むことで検討を行い,基本的な性能はほぼ達成されるものの,モルタル内でゲルが乾燥したため,ゲルの安定性を検討する必要を指摘した.そこで,本年度は,昨年度の実験をより安定的に行うさまざまな検討を行うとともに,より安定なゲルを用いた検討を行った. 本ゲルは,これを保護する半透膜を工夫するとある程度寿命を延ばすことはできるものの,最終的には乾燥してしまうためモルタルごと保水する必要があった.さらに,繰り返し再現性を検討した結果,フェノールフタレインの溶出も認められた.したがって,より安定的なゲルとともにフェノールフタレイン等のpH指示薬の固定化についても,単なる添加では限界があることを見出した. そこで,フェノールフタレインのようなpH検出薬を添加するのではなく,相分離に伴う透明度の変化を利用したゲルを用いた検討を行った.一般にゲル状高分子は温度やpHなどの条件で均一相となって透明性を示したり,相分離を起こすことで不透明となったりする.ここではその性質を利用して温度を一定にすることで,pH変化を光の透過率でセンシングすることを試みた.その結果,センシングモジュールへ同ゲルを挿入してpHの変化を検出することに成功した.ただし,この場合には透過率が変わる点について,温度の影響を非常に強く受けるため,今後温度の検出および温度制御を高い精度で行うことのできるモジュールの作製が必要であることを得た.
|