2004 Fiscal Year Annual Research Report
稚内珪質頁岩を用いた吸放湿型除湿・熱交換換気装置の開発
Project/Area Number |
15656134
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
絵内 正道 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00001991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽山 広文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80301935)
森 太郎 釧路工業高等専門学校, 助教授 (70312387)
本間 義規 岩手県立大学, 盛岡短期大学部, 助教授 (90331272)
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Keywords | 珪藻土粒 / 吸放湿現象 / 除湿調湿 / 換気装置 / 吸湿量 / 放湿量 / 含浸溶液 / 焼成温度 |
Research Abstract |
本研究では、夏期に冷涼な地域特性と道産材(稚内珪質頁岩)の有効利用を目的として、含浸珪藻土粒を用いた吸放湿型除湿・熱交換換気装置の実用化を目指した。今年度は、装置に組み込む珪藻土粒の焼成温度に関する基礎的な情報収集に努めた。 珪藻土粒は強度発現を期待して焼成される。4段階(500℃、600℃、700℃、800℃)の焼成温度における珪藻土粒の強度と吸湿性能を把握することから、吸湿性能に優れ、かつ十分な強度を有する最適な焼成温度の同定を試みた。以下のような知見を得ることができた。 (1)焼成温度と強度との関係 珪藻土粒の焼成温度が高いほど、物理的強度が大きく発現することが見出された。また、含浸後の強度低下は、焼成温度が低いほど、大きくなることが確認された。 (2)焼成温度と含水率(CaCL2溶液の含浸率)の関係 水中に十分長い時間放置し、表面水が無くなった計測重量から、絶乾重量を差し引いた重量を絶乾重量で除すると、含水率が求まる。この含水率が大きいほど、試料の空隙率が大きくなるので、含水率は空隙の多少に関係する。焼成温度による含水率の差は大きく現れなかったが、焼成温度が低いほど、含水率が高めになる傾向になった。この理由は、焼成温度が高くなるほど、珪藻土粒が収縮し、空隙も収縮するからであろうと考えられる。CaCL2溶液の含浸率も焼成温度による差異は大きく現れなかった。 (3)雰囲気湿度と吸湿量の関係 空気中の相対湿度が高くなるほど、吸湿量は増大する。しかし、CaCL2溶液に含浸させた珪藻土ボールRH90%では、潮解現象が生じ、水滴の落下が認められた。最適な含浸溶液濃度に対する検討が必要になってこよう。 以上の検討から、焼成温度500℃から700℃における重量あたりの吸湿量に大きな違いが見られなかったが、800℃になると、低湿度環境下における吸湿量が低下したため、吸湿性能と焼成温度(強度)との関係は700℃付近にあるのではないかという結論が得られた。
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Research Products
(1 results)