2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今野 幹男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40125547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 大輔 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50374963)
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Keywords | マグネタイト / ポリスチレン / ポリメタクリル酸メチル / オレイン酸 / 複合粒子 / コア-シェル |
Research Abstract |
無機粒子としてFe_3O_4を用い、モノマーとしては反応特性がよく知られるスチレンを使って無機粒子と有機ポリマーの複合化を試みた。複合化は、酸性条件でのFe_3O_4粒子の酸化を低減するため、塩基性条件に調整した緩衝溶液中で行った。表面処理を施さないFe_3O_4粒子を用いた場合には、Fe_3O_4粒子とポリスチレンの親和性が著しく低く、Fe_3O_4粒子とポリスチレンとの複合化はほとんど見られなかった。一方、Fe_3O_4粒子をビニル系反応性シランカップリング剤、およびFe_3O_4粒子に特異吸着するとされるオレイン酸で表面処理した場合には、添加したFe_3O_4粒子の一部がポリスチレン粒子の内部に取り込まれ、Fe_3O_4粒子とポリスチレンとの親和性が向上した。しかし、ポリスチレン粒子中のFe_3O_4粒子含有率は低く、外部磁場応答性は必ずしも十分ではなかった。そこで本研究では、高いFe_3O_4粒子含有率の複合粒子作製を目的として、メタクリル酸メチル(MMA)モノマーでも複合化を試みた。前記の表面処理を施したFe_3O_4粒子を使ってポリメタクリル酸メチル(PMMA)と複合化させたところ、Fe_3O_4粒子の含有率はスチレンの場合より高くなることが判明した。また、作製する複合粒子の形態は重合系内のイオン強度により変化し、イオン強度を低く抑えた条件ではFe_3O_4粒子をコアとし、PMMAをシェルとするコア-シェル型粒子を合成できることがわかった。合成したコア-シェル型粒子は水中で長期分散安定であり、添加するモノマー量によってPMMAシェル層の厚さを制御できることがわかった。
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