2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ磁性粒子鎖生成機構の解明と生物融合ナノ磁性素子創製への展開
Project/Area Number |
15656166
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩佐 達郎 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (00133926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 彰 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70136422)
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Keywords | 磁性細菌 / ラマン分光 / SDS-PAGE / マグネトソーム / マグネタイト / バイオミネラリゼーション |
Research Abstract |
我々にこれまで磁性細菌から種々の試料を作成し、二次元電気泳動によるタンパク質の解析、ラマン分光測定、磁化測定によるマグネタイト生成過程の解析を行ってきた。ラマン測定では、マグネタイトに由来するピークが観察されたが、マグネタイト生成の中間体と考えられている候補物質のピークは観察することができなかった。また、測定したすべての試料において帰属の不明な740cm^<-1>付近のピークを見出した。また、磁化率測定の結果、マグネトソーム分画が強磁性物質と常磁性物質の混合物であることを示す結果が得られた。マグネタイトは強磁性物質であり、観察された強磁性物質はマグネタイトと考えて矛盾は無かった。常磁性を示すシグナルが、マグネタイトからできたさび(酸化物)に起因しているとは考えにくい。この常磁性物質が何であるかを解明することがナノ磁性微粒子の生成機構を明らかにする上で重要であると考えた。 本年は、そのため試料調製の方法を見直した。マグネトソーム分画の調製の際に菌を破壊するが、昨年度は金属製の器具(超音波破砕機等)を使用していた。本年度は試料への混入を防ぐため、乳鉢で海砂とグラインドする方法をとることにした。その後遠心、マグネットによる分離を行うが、各試料をSDS-PAGEにかけ、そこにみられるタンパク質バンドを比較し、試料の分離の度合いを図る目安とした。このようにして得られたマグネトソーム分画は他の細胞質分画や細胞膜分画とは異なったタンパク質泳動パターンを示し、他の分画は混在していないと考えられる。つまり、他の分画の混在しない、各々独自のタンパク質泳動パターンを示す試料を得ることのできる分離手法を確立できた。 今後はこのようにして得られた試料を用いて、ラマン測定、磁化率測定、メスバウアー測定、タンパク質分析を行いたい。
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Research Products
(6 results)