2003 Fiscal Year Annual Research Report
熱力学的に平衡する金属酸化物を用いた永久寿命高温トランジスタ
Project/Area Number |
15656172
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 俊夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20114895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾山 由紀子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(平成15年7月東京大学へ転出), 助手 (00345373)
河村 憲一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50270830)
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Keywords | 高温p-n接合 / NiO(p) / ZnO(n) / ドーピング / 永久寿命 / 高温トランジスタ |
Research Abstract |
熱力学的に平衡する半導体を用いてp-n接合を構成すれば,それぞれの相での成分の活量が等しいことから,高温においても接合部分で拡散は起きず,原理的に無限の寿命を有する素子が実現する。本研究ではNio(p)およびZnO(n)系で,高温p-n接合による高温トランジスタの作製を目的としている。これまでに,NiO(P)およびZnO(n)の2相共存系で構成したp-n接合は400℃以上で,非オーム的な整流特性を示し,1ヶ月以上の加熱でも特性が変化しないことを示した。しかし,この接合の整流比は6であり,実用には大幅な改善が必要であった。本年度では以上を基礎として,まず整流比を高めるためにドーピングの効果を調べた。NiO(P)にはLi_2OをZnO(n)にはAl_2O_3をドープした。ドーピングを行ったp-n接合の整流比は400℃で175となり,大きく特性は改善される。また,2日間の加熱でもその特性は全く変化しなかった。500℃では初期の整流比は14であり,加熱により徐々にその値が低下することが認められた。これは,ドーパントの拡散に起因するものと考えられる。2ヶ月間500℃で保持した後のp-n接合界面の分析に依れば,Alの拡散は認められなかった。よって,Liの拡散により,接合界面の特性が低下するものと考えられる。 次年度は両固溶体間のLiの濃度と活量の関係を調べ,異なるドープ量で等しい活量のp-n接合の作製を試みるとともに,薄膜化を図りn-p-nトランジスタを作製する。
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