2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656178
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 忠夫 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (20002941)
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Keywords | SUS304鋼 / ホウ素浸透 / ホウ酸膜形成 / 潤滑被膜 / 自己修復 |
Research Abstract |
1.SUS304鋼へのホウ素窒化物の浸透機構の解明 (1)「高周波プラズマ中における金属ホウ素の電子ビーム加熱蒸発時間とホウ素および窒素の浸透深さと分布」は加熱蒸発時間3時間で、0.4μm以上の深さまで浸透することが明らかとなった。分布のむらは存在した。 (2)「ホウ素および窒素が浸透する特別な経路が存在するか、あるいは窒化物が形成する特別な場所が存在するか」については、通常考えられる表面からの拡散による浸透の他に別の浸透過程の存在が観察された。すなわち、何らかの理由で蒸発作業中にSUS基板に最大直径10μm程度の穴が形成され、そこに窒化ホウ素が蒸着してきて穴を埋めたので、結果として基板中に窒化ホウ素が埋め込まれた形になっていると考察されたが、精査が必要である。 2.形成したホウ酸系皮膜の潤滑剤としての性能評価 (1)「スラストカラー型摩擦摩耗試験機を用い、相手軸はS45C材という条件で摩擦係数の測定」を行った結果、SUS304鋼上に大気中で形成したホウ酸が存在している状態での摩擦係数は0.5前後の値であった。ある時間経過後、摩擦係数が突然上昇したところで、一旦、摩擦試験を中止し、10数時間大気放置後、試験を再開すると摩擦係数は再び0.5前後の値を示し、ある時間経過後再び摩擦係数は上昇した。この現象は繰り返し起こるので、この潤滑皮膜は自己修復能力を有すると考えられた。
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