2003 Fiscal Year Annual Research Report
超微細粒組織を有する高強度金属フォームのバルク発泡プロセスによる創製
Project/Area Number |
15656187
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
佐藤 英一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(宇宙研), 宇宙構造・材料工学研究系, 助教授 (40178710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北薗 幸一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(宇宙研), 宇宙構造・材料工学研究系, 助手 (20321573)
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Keywords | 発泡金属 / 圧延接合 / 超塑性 / 水素化チタン / セル構造 / 衝撃吸収 |
Research Abstract |
本年度は,純アルミニウム,Al-Si合金,Al-Mg合金の板材を用いて,プリフォームの作製過程,発泡後のセル形態,機械的特性の比較を試みた.純アルミニウム合金は室温で容易に圧延接合(ARB)可能であったので,6サイクルまでのARB処理により,プリフォームを作製できた.しかしながら発泡特性に問題があり,40%の気孔率しか得られなかった.一方,Al-Si合金は,アルミニウムマトリックス中に硬いSi粒子が分散しているため,冷間圧延接合が困難であり,250℃まで加熱して圧延接合した.2枚の板から12サイクルまでARB処理を行うことにより,発泡剤の水素化チタン粒子が,分散する過程を観察できた.Al-Si合金板から最大60%の気孔率を有するクローズドセル型フォームを作製できた.この際,ARBのサイクル数が多いほど気孔率が増加し,ポアのサイズが小さくなることが確かめられた. Al-Mg合金板からもAl-Si合金と同様のARBプロセスにより,最大60%の気孔率を有するフォームを作製できた.しかしながらポアの分布はやや不均一であった.Al-Si合金フォームとAl-Mg合金フォームの力学的特性を圧縮試験により比較した結果,気孔率がほぼ等しいにもかかわらず,後者の方がずっと降伏強度が大きかった.これはマトリックス自体の強度の違いによるものであった. 以上の結果より,プリフォームの作製が容易な純アルミニウム,発泡特性に優れたAl-Si合金,機械的強度に優れたAl-Mg合金というように,素材自体の得意分野が明らかとなった.今後,目的とする特性を有するフォームを作製する場合,これらのバランスをしっかり踏まえて取り組む必要がある.
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[Publications] K.Kitazono, E.Sato, K.Kuribayashi: "Novel manufacturing process of closed-cell aluminum foam by accumulative roll-bonding"Scripta materialia. 50・4. 495-498 (2004)
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[Publications] K.Kitazono, E.Sato, K.Kuribayashi: "Bulk foaming process for cellular metals starting from alloy sheets"Proceedings of MetFoam 2003. 157-160 (2003)