2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656211
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大竹 久夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10127483)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝口 昇 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (20304462)
|
Keywords | 生命体ソフトウェア / シュミレーション / 進化 / アルゴリズム |
Research Abstract |
本年度は金魚の匂い初期応答に関するアルゴロームを解明する目的で、カルシウムイメージング法を用い金魚の嗅覚ニューロンにより受容された匂い情報が、嗅球内のどの糸球体に投射しているかについて調べた。嗅球の染色は、鼻腔に12%Calcium Green-1-dextran (MW 10,000)および0.1%TritonX-100を含む1mM NaCl溶液を約1.5μl注入することにより順行的に行った。TritonX-100は嗅細胞表面の繊毛(樹状上突起)を除去し、色素が細胞内に侵入しやするするために用いた。鼻腔に蛍光色素を注入した金魚は、蛍光色素の退色を防ぐために暗所で飼育し、鼻腔内の繊毛が再生する染色後3日経ってから嗅球を露出するために解剖を行った。カルシウムグリーンで染色された神経細胞は、細胞内のCa^<2+>イオン濃度に依存た強度で蛍光を発する。蛍光強度の測定には、浜松ホトニクス社のAQUACOSMOS/RATIOレシオイメージングシステムを用いた。匂い刺激としてアミノ酸20種を混合した溶液(各10mM)を金魚の鼻腔前方にマイクロインジェクターを用いて注入した。測定時間を30sとし、測定開始後5s後に刺激を与えたところ、嗅球外周部に蛍光強度が変化する領域が存在することを確認することができた。同様に10^<-1>MMgSO_4を用いてMg^<2+>に対する応答を測定したところ、アミノ酸の場合と異なり、嗅球前部の内側で反応が認められた。これらの実験結果から、金魚の匂い情報が一次嗅覚野において、匂い情報ごとに異なる領域に統合されている可能性が示唆された。
|