2003 Fiscal Year Annual Research Report
酵素包括ゾル-ゲルシリカモノリスマイクロチャネルバイオリアクターの開発
Project/Area Number |
15656212
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川上 幸衛 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70091345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
境 慎司 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20359938)
小野 努 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30304752)
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Keywords | マイクロバイオリアクター / ゾル-ゲル法 / シリカモノリス / 固定化酵素 / プロテアーゼ / 有機溶媒 / 物質移動 / エステル交換 |
Research Abstract |
内径数mmのPEEKチューブやガラス毛細管,内径数百μmのPEEKSILチューブの内部に,テトラメトキシシランとメチルトリメトキシシランの1:4混合物を前駆体としたゾル-ゲル法により,プロテーゼ包括有機-無機ハイブリッドシリカモノリスをその場形成させた.モノリスは直径数μmの微粒子の集合体からなり60%程度の空隙を有する.この空隙を基質溶液の流路とする固定化酵素マイクロバイオリアクターを構築した. 乾燥に伴うシリカの収縮を阻止するために,種々のゾル-ゲル反応条件,ならびにPEGやPVAなどの添加剤の効果を検討した.その結果,酵素サンプルに当初から安定化剤として添加されているデキストリンをさらに追加添加し,最終量を最適化することによって収縮が防止できることを見出した. プロテアーゼによる有機溶媒中のグリシドールと酪酸ビニルのエステル交換をモデルに,同じ固定化酵素ゲル粒子の懸濁回分撹拌槽との比較において,流通マイクロバイオリアクターの性能を検討した.主要な変数としては,チューブ長さ,内径,および固体当たりの酵素含有率を取り上げ,それらが反応率におよぼす効果を検討した.その結果,マイクロバイオリアクター内の酵素反応速度は基質の液固間物質移動過程によって影響を受けていることが明らかとなった.この効果は回分反応器と流通マイクロバイオリアクターにおける酵素反応速度の単純なモデル解析によって定量的に表された.これらからマイクロバイオリアクターの設計方程式を決定した.酵素の高密度充填および物質移動抵抗の低減が今後の課題となる.
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