2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15656217
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宇田 暢秀 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20160260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久能 和夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90128009)
小野 幸生 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90038092)
青木 隆平 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00202466)
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Keywords | カーボンナノ材料 / ナノ複合材料 / 力学的特性 / 分散 / 界面強度 / シュミレーション |
Research Abstract |
カーボンナノ材料を強化材として樹脂中に分散させたナノ複合材料の問題点、(1)ナノ材料が分子間によって凝集する、(2)ナノ材料と樹脂の界面強度が弱い、を解消するために、R.Bandyopadhyayaら(2002)やO.Regevら(2004)が報告した方法を参考にしてナノ複合材料を製作し、その力学的特性を評価した。この方法を用いて製作したナノ複合材料の力学的特性を評価した研究はこれまでに発表されていない。 本年度開発されたカーボンナノ複合材料の制作方法は次の通りである。(1)アラビアゴム(Gum Arabic, GA)水溶液にカーボンナノ材料(CN)を添加(純水:GA:CN=100:3:3)する。(2)ナノ材料含有GA水溶液の沈殿物を加熱(100℃)固化させ、カーボンナノ材料の固形物を乳鉢で粉砕する。(3)そのカーボンナノ材料をエポキシ樹脂主剤(エピコート807)に添加する。(4)50℃温浴で90分超音波処理した後、硬化剤(エピキュアW)を添加(主剤:硬化剤=100:25)する。(5)脱泡のため減圧環境下50℃で90分間混練する。(6)あらかじめ100℃に加熱した型に材料を注型し、プリキュア、キュアともに175℃、2時間ずつで硬化させる。(7)常温になるまで放置する。製作した複合材料中のナノ材料重量比率は3%である。 長さ100mm幅10mm厚さ4mm試験片に仕上げ、3点曲げ試験法を用いて力学的特性を評価した。エポキシ樹脂のみの試験片から得られた特性と、カーボンナノ材料を添加した試験片(CN)、上記のGA処理したカーボンナノ複合材料試験片(GA)、それぞれから得られたものを比較したところ、曲げ弾性率がCN、GAそれぞれで11%、14%向上、強度がCN、GAそれぞれで30%、37%向上し、本方法の有用性が示された。 代表要素を用いてカーボンナノ材料分散型複合材料をモデル化した有限要素解析と、実験から得られた曲げ弾性率を比較したところ、GA処理した試験片ではナノ材料の分散が促進されていることがわかった。
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