2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリカル系プラズマにおける密度限界放射崩壊時のパワーバランスとその不可逆性
Project/Area Number |
15656235
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
山田 弘司 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20200735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 順一 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (50300728)
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Keywords | 周辺プラズマ / 熱粒子束 / 不純物 / 放射損失 / 熱伝導 / 荷電交換損失 |
Research Abstract |
核融合を目指した高温プラズマの磁場閉じ込めにおいて、運転密度限界がどのような因子によって決定され、どのような機構がその際の挙動を支配するかを明らかにするために、放射損失による熱平衡の破壊を対象とした時間変化に見られる可逆、非可逆性に注目した実験研究を進めた。具体的には3種の実験を遂行した.(1)大型ヘリカル装置(LHD)で中性粒子入射によって生成加熱されたプラズマに対して、加熱パワーを一時的に切り、その加熱パワーが無い状態の時間間隔を変え、冷却と再加熱過程を観察した。冷却時の蓄積エネルギーの変化率は放射損失の約2倍大きく、またその変化率はパワーが無い間隔に依存している。間隔が短い場合は冷却と再加熱の課程は可逆的であるが、間隔の増大に伴って、ヒステリシスを示すようになり、最終的には放射崩壊し、元に戻らなくなる。得られたデータを元に、入射パワーや放射損失以外の損失を見積もったパワーバランスの時間発展シミュレーションと合わせて、モデル化を検討した。(2)運転限界付近での劇的な変化の前に、高密度領域において閉じ込め特性が変化することがトロイダルプラズマ一般に見られている。この特性変化も放射崩壊に影響を及ぼす潜在的因子である。LHDにおいて高密度領域での準静的な状態において加熱パワー、磁場、密度の広い範囲での閉じ込め性能を比較した。エネルギー閉じ込め時間および熱輸送係数が広く認められているジャイロボーム的な温度に対して-3/2乗からある密度領域で-1/2乗の依存性へ変化することが明らかとなった。この内容はPlasma Physics and Controlled Fusion誌への論文掲載が決まった。(3)ヘリカル系とは対照的な磁場構造を持つトカマクとの比較に着手した。特に周辺部の磁場構造に着目し、磁気シアの影響を調べる実験を日本原子力研究所のJT-60Uにおいて実施した。
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Research Products
(1 results)